ツキのしずく-4
通常死んだ時には、あの列に並ぶらしいから、あとは省略するけど、なかには地獄に行く場合もあるね。
だから、地獄では会えないという、この2人の事を話すとするよ。
2人はそこまで偉い神様じゃないそうで、天国では普通に会う事の出来る神様だとか。
2人の人間と思っていた人物は、神様だったのだ。
僕は急に、神様の数はどうやって数えるのか、謎になった。
人ではないから、何人という数え方が不適切に思えたのだ。
そこで僕は、デ?ーズの店員の様に、2名様として見る事にしたのだった。
まずは、お互いに自己紹介。
ヒゲづらの男は、再会と再生の神だと言った。
再会と再生の神??神様にもいろんな種類があるのだ。
ふと、頭に浮かぶ。よく、困った時に神頼みをするが、あの時、どの神様か決めるべきなのだろーか。と。
長い髪の女は、運をつかさどる女神だと言った。さすがに女神というだけあって美しい。
特に気になるのは、女神の目。僕は、夏祭りで買ったラムネを思い出していた。
あれのビンの中の、ビー玉みたいな深い色。目が合うだけで吸い込まれそうな魅力を感じた。
僕はその目が怖くなり、横を向いた。だけど、ちゃっかりと、ドキドキしながら名前を聞いてみた。
自分は聞かれなかったのになぁ。という感じで、ヒゲづらの神様は、不服そうな顔をした。
女神は、ファナティックという名前だった。賭け事に夢中な人が、たま〜に持ってる指輪があるけど、
あれのブランド名が、確かこんな名前だった。下界にも聞こえる幸運の女神は美人だったよ。