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偽りのデッサン
【熟女/人妻 官能小説】

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第22話 狂った果実-2

睦美は、ハンドルを握る慶の腕に寄り添うように願った。
この頃から、慶の態度も横柄になり始めたが、睦美に対する嫉妬心からと思い、咎める事は無かった。
しかし、その思いが次第にエスカレートして、睦美に襲い掛るのだった。

辿り着いた先の、とあるモーテルの一室。
二人は、部屋に入ったばかりだった。

「うあ〜・・・ここも良い部屋ね・・・・・。この前のよりも凄く良いわ・・・・・。」

睦美は、政俊と結婚してからは、ほぼファッションホテルなどに行く機会は無かった。
だから、慶と会う時は、毎回場所を変えて変化を満喫していた。
そんな、有頂天になってる睦美をよそに、慶の表情は虚ろだった。

「ねえ、見て見て・・・ベッドも凄くお洒落で素敵だわ・・・・・。ほら・・・慶っ・・・きゃっ!・・・・・。」

慶は、振り向きざまの睦美をベッドに押し倒した。
そして、馬乗りになると、睦美の両腕を後ろに回して、クローゼットから取り出していたタオルで両手首を縛った。

「ちょっと、慶!・・・何するの、やめて!・・・ん〜!ん〜!・・・・・。」

睦美は抵抗するが、その口を封じるかのように慶は、強引に唇を重ねた。
ひ弱な慶だが、それでも若い男の力には敵わず、睦美は為されるがままだった。
ブラウスのボタンは引きちぎられ、まるで強姦するがごとく、睦美に襲いかかった。

「嫌〜!・・・お願いだから止めて〜!・・・・・。」

「はあ・・・はあ・・・やだよ・・・はあ・・・はあ・・・睦美さんは・・・僕だけの・・・僕だけの人なんだ・・・はあ・・・はあ・・・睦美さん・・・睦美さん!・・・・・。」

「だ・・・駄目よ・・・慶・・・・・。お願いだから・・・こんなの嫌・・・慶・・・け・・・い・・・・・。」

慶は、力尽くで執拗なほどに、衣服の上から睦美を嗜んだ。
それは、お互いが身体を許し合ってる関係でありながら、異様な光景だった。
やがて睦美は、慶に落ちていった・・・・・。

しばらくしてベッドの上では、着衣が乱れて、片足には脱がされたショーツとパンティーストッキングが残ったままの、睦美が仰向けになっていた。
その胸元では、避妊具が被された局部だけが露出した慶が、泣きじゃくっていた。

「うっ・・・うっ・・・・・」

睦美は、そんな慶を尻目に、呆然とした表情で天井を見上げていた。
頭の中は、このような事態になった経緯を考えていたのだ。
思えば、母性を求めてくる慶に対して、睦美は若い身体が欲しいだけだった。
その中から、手探りで見付けた愛情だが、身体を重ねてる事でしかお互いを確認できないほど狂っていた。
そして、睦美が自分の虜にしようとした行為が、さらに慶を狂わせていた。
このまま深入りするには、危険なのは分かっていた。
それでも、慶を失う時の失望感を考えると怖くなり、このまま進むしかなかった。
慶が睦美に依存するように、同じく睦美も慶に依存し始めていたのだ。

『だったら、セックスフレンドに徹して遊んだ方が、お互いの欲求にも答えられるし長続きもするわ・・・・・・。』

そう、この時になって加奈子の言葉が重く圧し掛かってきた。
それでも睦美は、加奈子のようには器用にはなれなかった。
とにかく今は、先行きの不安をかき消すかのように、若い身体に溺れていくのだった。

「慶・・・お願い解いてくれる?・・・・・。」

「む・・・睦美さん・・・・・。」

慶は、涙を拭い起き上がると、睦美の両手を縛ったタオルを解いた。
そして、睦美が上半身だけ起き上がると、慶の顔を胸元まで手繰り寄せて抱きしめた。

「ごめん・・・寂しい思いさせちゃって・・・・・。大丈夫よ・・・私は、慶から逃げないから・・・だから安心して・・・・・・。」

「睦美さん・・・・・。」

「ほら・・・もう泣かないの・・・・・。」

睦美は、慶から避妊具を外すと、ティッシュペーパーで拭きとった。
そして、手でみなぎりを誘い口づけを交わすと、二人は身体を重ねた。

もう、歯止めが効かなくなっていた。
お互いが依存し合い、身体を重ねる事でしか気持ちを共存できなくなっていたのだ。
その先にある、崩落の予兆をかき消すかのように・・・・・。

「はあ・・・はあ・・・もっと・・・もっと強く・・・抱きしめて・・・はあ・・・はあ・・・慶・・・慶・・・・・。」

・・・・・慶!・・・・・


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