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偽りのデッサン
【熟女/人妻 官能小説】

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第21話 加奈子と大学生-2

「別に、主人に不満があったわけじゃないけど・・・ただ・・・彼の方が良かったの・・・・・。若いから何度も求めて来るしね・・・・・。」
「それに彼も同じだったみたい・・・・・。当時、付き合ってた彼女や、遊びの子もいたみたいなんだけど・・・私の方が良かったみたい・・・・・。ふふ・・・当たり前よね・・・経験を重ねた数だけ違うもの・・・・・。」

加奈子も、若い頃はバブルの恩恵を受け、男に貢がせては遊んでいた時期があった。
その中で、一夜限りの関係も頻繁だった。

「ちょっと恥ずかしくて言えないけど、色々な事もしたわ・・・・・。彼の欲求には、出来るだけ答えたかったしね・・・・・。それでも・・・彼の事を愛してるわけじゃないのよ・・・・・。」

「好きでも無いって事?・・・・・。」

「そうね・・・そう言う事になるのかしら・・・・・。まあ・・・ようするにセックスフレンドって言うのかな・・・当時はそうは思ってなかったけどね・・・・・。それに、彼もその方が都合が良かったみたい・・・・・。付き合ってた彼女の事は好きだったみたいだし・・・私も旦那の事は愛してたからね・・・・・。ただ・・・お互い恋愛感情は無くとも、セックスの相性は良かったわ・・・・・。だから・・・それだけの関係でも良いと思ったの・・・・・。」

睦美は、慶との事を照らし合わせながら聞いていた。
確かに、身体の関係から始まったのは同じだが、そこに恋愛感情が無く、割り切った関係でいられる加奈子に、睦美は驚いた。
しかし、この会話の続きが、睦美の胸に突き刺さるような思いにさせられた。

「だって良く考えてよ・・・彼とは20も違うのよ?・・・・・。どう考えたって、私が本気になって彼に飛び込んでも、捨てられるのが落ちよ・・・・・。飽きられたら、ただの、エッチなおばさんだからね・・・・・。それに、今の安定した生活を捨てるにはリスクが大きすぎるわ・・・・・。だったら、セックスフレンドに徹して遊んだ方が、お互いの欲求にも答えられるし長続きもするわ・・・・・・。」
「睦美さんもどう?・・・もし旦那さんに御不満なら、若い子も良いわよ・・・・・。旦那さんとだったら、次の朝に赤面するような事も平気でしてくるからね・・・ふふ・・・・・。」

「ちょっと・・・加奈子さん・・・・・。」

「冗談よ・・・冗談・・・・・。あまりこう言う話って、身近に出来る人がいないもんだからね・・・つい・・・・・・。それだけ、睦美さんの事を親しく思っている気持ちだから、悪く思わないで・・・・・。」

「え・・・え〜・・・・・・。分かってるわ・・・・・。」
「あっ・・・この辺で降ろしてくれる?・・・・・・。」

「えっ・・・もう?・・・遠慮しないで家まで送って行くわよ?・・・・・・。」

「いいの、いいの・・・夕飯のお買い物もしたいから、この辺でお願いするわ・・・・・。」

「そう・・・もしかして私の話で、気を悪くした?・・・・・。」

「違うわよ・・・話を持ち出したのは私の方だし・・・逆に、加奈子さんに嫌な事を思い出させちゃったみたいで、ごめんなさいね・・・・・・。私も、いつまでも加奈子さんとは親しくしたいと思ってるから・・・絵画教室を辞めたとしても、これからも良い関係でいましょう・・・・・。」

「うん・・・そうね・・・私も、これからどうなるか分からないけど、睦美さんとだけは、このまま続けていきたいわ・・・・・。本当に今日は、私の変な話に付き合ってくれてありがとうね・・・・・。それじゃあ、この辺で良いかしら?・・・・・。」

「ええ・・・良いわよ・・・あの信号機の手前のスーパーでお願いするわ・・・・・。」

スーパーの駐車場に車が止まると睦美は降りて、去り行く加奈子に手を振った。
そして、加奈子の車が視界に無くなると、スーパーには立ち寄らず、そのまま家路へと歩いて向かった。
家までの距離はしばらくあり、加奈子の好意を断ったのは、辿り着くまでに、気持ちの整理を付けたかったからだ。

睦美が、住宅街に差し掛かる坂を歩き始めた時だった。
先ほどまで雲行きが怪しかっただけなのが、急にポツリポツリと雨が降り出した。
次第に雨足は強くなるのだが、それでも睦美は、携帯してた折り畳み傘は刺さずに、一点を集中しては考え事をしてるかのように、ずぶ濡れになりながら歩いた。
そう、やはり気になるのは、加奈子の言った言葉だった。

『だって良く考えてよ・・・彼とは20も違うのよ?・・・・・。どう考えたって、私が本気になって彼に飛び込んでも、捨てられるのが落ちよ・・・・・。』

このまま、慶との関係を続ける事への、先行きの見えない不安が睦美を襲った。
慶と一緒にいる時・・・身体を重ねてる時は感じなかった現実が、加奈子の言葉と共に重く圧し掛かってきたのだ。
やがて二人は、崩落の木漏れ日が差し掛かる処女地へと、徐々にと踏み入れる事になるのだった・・・・・。


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