志津子 -2
夕暮れのなか、どの風呂もすごく気持ち良かった。
階段を下りて地下に入って行く泥風呂は、体が浮いている不思議な感覚だった。
その頃になると、三人とも他の人がいなければ、すっぽんぽんでも平気になっていた。
少し浅黒い孝子の肌と、色白の志津子、漏れて来る夕日に紅く染まっていた。
「ねぇ、さっきからあの子ずっとチラチラ見ているよね」
志津子がそうささやいてきた。
「しーちゃんも気づいてた?あたしもそう思ってたんだよ」
俺はさりげなく、その男がいる方を見た。
今は中年以上が大半のここでは、珍しく20代半ばくらいの男が一人いた。
身長もそんなに高くなく、眼鏡をかけていた。
たぶん、モテない範囲に入る、そんな感じの男の子だった。
気がつけば7時近くになっていて閉館間際で人影もまばらだった。
志津子が打たせ湯に入りたいと言って、そっちへ行く時も、その子は距離をとってついてきていた。
「見られちゃうよね?あの子に」
志津子がそう言う。
「多分あの子まだ童貞だぞ。ちらっとだけ見せてやろうか?」
「素早くしゃがめばそんなに見えないか」
志津子はそう言うと、うまくしゃがみながらタオルを取ると俺に渡した。
「あっ気持ちいい」
志津子がそう言うと、孝子もマネして隣に座るとタオルを投げてよこした。
乳房を手で隠し、膝を合わせているので、うまく隠れて絶妙のチラ見せだった。
そんな2人を、あの男の子は風呂に入って見てないフリをしながら、チラチラ見ていた。
「ちょっとあの子に悪戯してみようか?」
俺は2人にそう言った。
「えぇ?どんなことすんの?」
志津子が最初に食いついてきた。
「孝ちゃん、童貞君にサービスショット見してあげようか」
志津子が悪戯っぽく笑って、孝子に話をふった。
「面白そうね。やってみる?」
孝子がノって来る。
そうなると話は早い。