志津子 -1
【千絵】
トシカズ夫婦とは、その後も互いに行き来していい関係を続けていた。
チエちゃんも、俺たちの事をお兄さん、しーちゃんと言って慕っていた。
「もうそろそろチエちゃんとの事、計画してみるか?」
ある日、俺はトシカズに持ちかけた。
「俺も、そう思ってたとこなんですよ」
トシカズが目を光らせてそう言った。
「来月、うちの子達がサトシんちに泊まりに行く事になってるから、そこで計画するか」
トシカズもその日を空けておくという事で計画を立てた。
志津子にも話したが、始めは当惑していた。
「何にも知らなくて、チエちゃんかわいそうじゃない?」
「それに、あたしと違ってチエちゃんはすごいマジメだよ」
「お前だって始めは全然そんな素振りなかったじゃん」
俺はそう言って笑った。
「それは……そうだけどさぁ、大丈夫かなぁ。あたし知らないよ」
志津子はそう言うと、本当に心配そうな顔で考え込んでいた。
その日がきた。
子供達は孝子夫婦が迎えに来てくれた。
俺たちも子供達には内緒で一泊のプチ旅行を計画し、出発した。
車で3時間、山あいの小洒落た旅館についた。
久しぶりの旅行ということで、チエちゃんは大喜びだった。
通された部屋は、思っていた以上に広くてきれいな部屋だった。
「ごめんね4人一緒の部屋で」
俺は心にも無い事を、チエちゃんに言った。
「全然っ♫一緒の部屋の方が楽しくていいもん」
数時間後、自分の身に何が起るかも知らないで、無邪気にはしゃいでいた。
志津子はチエちゃんを連れて、先に温泉へ入りに行った。
「うまくいきますかね?」
露天風呂に浸かりながら、トシカズがそう言った。
「うん、志津子がめっちゃ心配していてな…」
「とりあえずムリはやめて、俺と志津子で先にやってみてさ」
「それで時を見計らって、俺らのを聞きながらチエちゃんに手を出してみ」
俺はトシカズにそう言った。
「あぁ、でチエが嫌がるようなら兄やん達だけで終わらせると…」
「うん、でチエちゃんがノってきたら、それからは流れでどうにでもなる」
俺はトシカズにうなずきながらそう言った。
これは志津子が考えたことだった。
もしムリにやって、こじれてしまったら取り替えしがつかないからと言った。