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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-4


秋乃と拓斗が、職員室で事情を話してる頃。

同じ夕焼け色に染まる・・
ここは、体育館倉庫。

割れて穴を開けた板から差し込んでくる綺麗な茜色。
その色に照らされ、横たわっているのは・・瑞稀。
左手で、血が出ている左足をおさえている。

瑞稀はなんとか、木の板を破ることが出来た。
しかし、空手も何も知らない彼女が無傷な訳がなく・・。
案の定、蹴り続けた左足は足首から膝までかけていくつもの深い傷が出来てしまった。
しかもこの日、瑞稀は暑さの為にショートパンツという格好。
それでも、投げ出さず、諦めなかった瑞稀は割れてはいるが脱出出来る窓にたどり着けた。
しかし、出血のせいで頭は朦朧とし、おまけにこの足では立ち上がることもままならない。というより、蹴り続けていたときより、痛みが悪化していた。
心無しか、息切れもし始めた。

「・・・・」

止まらない血。動かない足。息苦しい呼吸。はっきりしない頭。
頭が、ボーッとしてくる。


―・・せっかく穴開けたのに・・。
 
  出れるのに・・・。

  何で、動かないんだろ。

  動けないの・・?

  てか・・何でこんなことになったんだろ・・。

  私・・閉じ込められるような事・・

  ・・した・・? ―


うつろう意識の中、それだけ頭に浮かんだ。
そして・・意識を手放した・・。
もう、どうにでもなれというかのように・・。


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