ミアの贈り物-2
「一番儲かるのはセックス産業です。
娘たちを誘拐してその体の作りをそっくりにコピーしてしまえば、電子セックスドールになります。
そのときに人格再生プログラムもあわせて行えば、少女たちを売春婦に落とすことになります。
本物そっくりに作ったアバターはインプラント共振を起こして本人の体もぼろぼろにされるのですから。
まして可愛いモデルだと同じコピーを量産するので、複数の男性とのセックスのインプラント共振が同時に起こることになり、大変なことになるのです。
消息不明になった人気アイドルや女優が自殺したり廃人になっていたというニュースを聞くことがありますね。あれはその結果なのです。
裏組織はそういう不正を嗅ぎつけたマスコミ関係者を消したり口塞ぎをするのにも便利なのです。
リアル・ゲームの中の風俗産業はいまや収入がトップなのです。
イケメン男性も同じように餌食になっています。
風俗店の女性達やホストたちは電子生物で完全な作り物だと思っている一般人が殆どですが、作り物ではやはり人間離れしていて実感が湧かないのが実情なのです。
そういうのは店の表に置いておいて、奥に行くと特別料金で実際の人間をモデルにした電子セックスドールを相手にサービスするのです。
作り物が多用されているのは行政の窓口や係りです。
実際の人格モデルを使うと私情が入り込みますし、組織の不正に気づいて騒がれては困るからです。
そういう組織にとって都合の悪い部署はすべて人工的な電子生物に任せていて、不正に気づいてもそれを不正と認識しないようにプログラムされているのです。
あなたたちはときどき端末から流れる行政の指示に従って、手仕事を割り当てられたり、肉体労働に駆り出されますが、その収益もピンはねされているのです。」
20才ミアが蜜柑の房を2つ重ねたようなプリンを持って来た。
そして21才ミアは舌のような形をして表面が細かい粒粒のあるプリンを持って来た。
だがミア老婦人の説明は続いた。
彼女はこれらの情報を瞬間的に私に伝えることもできるのだが、こうやって時間をかけて私に伝えるのを楽しんでいるようでもあった。
「ガルチック・コユナ社は今までも政府に干渉してきました。
自分たちに高い法人税がかけられると知ると、スラム街の人々をお金で雇って反対運動をさせました。
そして無理矢理その法案を潰させたのです。
けれどもその結果、貧困と経済格差が激しくなると、同じスラム街の人々に雇って会社の役員が先頭に立って、『政府の政策は間違っている。
我々のような大会社からもっと税金を取るべきだ』と訴えたのです。
彼らは自分たちが反格差運動の標的になることを恐れ、政府に攻撃の矛先を向けるようにしたのです。
金の力があれば、なんでもできます。
自分達に都合の悪い政治家が現れると対抗馬の人間を立てて、金で雇った人々に応援させ現政権の批判を徹底的にさせます。
そのため、交通機関も流通系統もすべてストップしてしまっても、それは現政権のせいだと責任を押し付けるのです。
そうやって立てた自分達の候補でも政権を取らせたあと思い通りにならなければ、また人々を雇って反対運動をさせます。
雇われているのは同じ貧しい人々でそのときの指示に従ってあっちについたり、こっちについたりするのです。
そのため、政府内もガルチック・コユナ社に逆らうことができなくなり、あらゆる不正を黙認するどころか、自分達も不正に手を汚すようになったのです」
私は蜜柑の房のようなプリンの表面を舐めながら何か唇に似た感触だなと思い、つい夢中になって舌や唇で蜜を啜った。
そして舌のようなプリンは舌そのものの感触だった。
私はそれを口の中につつむようにして、自分の舌を絡めながら蜜を舐めた。
横にいた二人のミアは鼻から息や声を出して口を中開にし首を盛んにくねらせていた。
「その不正はなんとかならないものですか?」
そのとき、カリアがミア老婦人の体から出て来た。
「そうですね、その前に娘達があなたに最後のプレゼントをしたいと言っています。
その後で、さっきカリアが言おうとしたことをお話しします」
22才ミアが私にドリンクを持ってきてくれた。
蜜を舐めすぎたので喉が渇いていたから一気に飲んだ。
すると、全身が彼女達の唇や舌で舐められている感触に包まれた。
特に私の性器は熱い口のフェラチオを受けていた。
それも一人分ではない。
私の性器をある者はすっぽり口に咥え激しく出し入れしているし、ある者は舌先でちょろちょろ嘗め回している。
またある者は玉袋を口に含み皺を舌先でのばすようにしたり皮ごしに睾丸を転がしている。
二重三重の感触が重なり合って私の性器を攻め立てた。
お尻や背中や乳首や腕や足。
首筋や耳たぶ、指の先から指の股まで唇や舌で舐められないところはない。
そしてもちろん口には唇や舌が一人ではなく数人のミアによって愛撫されているのだ。
私は崩れ落ちて考えた。
22才以上のミアたちが向こうの方でやっていたこと……あれは私の体の皮膚感覚とシンクロするプリンを舐めてしゃぶっていたのだ。
しかも、私が渡されたドリンクを飲んだときにプログラムが発動するように。すると、私が舐めていたプリンは、いったいあれは?
私はそのとき気づいた。