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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-1



次の日。

瑞稀はいつも通り、水道に寄り掛かって座っていた。
今日は、読む本が無く暇をしていた。

すると、声をかけられた。

「おはよ、瑞稀」

瑞稀が見上げると、そこには昨日知り合った転校生。

「おはよう、秋乃。早いんだね」

瑞稀がそう言うと、秋乃は首を傾げた。

「何で?8時までに来なきゃいけないんじゃなかった?」
「え?そんな事ないよ?」

簡単に、朝の話をすると、秋乃は溜め息をついた。
どうやら、親が間違って覚えた話をそのまま鵜呑みにしたらしく、こういう食い違いが生まれてしまったようだ。

「ったく・・・」
「ま、ややこしいから間違えやすいからしょうがないよ。私もしょっちゅう間違えてたし」
「そうなんだ。」

それから昇降口の扉が開くまでずっと喋っていると、幼馴染の千晴が声をかけてきた。

「おっはー、瑞稀。・・あれ、この子誰?」
「あ、おはよ、千晴。この子は転校生。」

千晴の前に、秋乃を押して対面させた瑞稀は、秋乃に紹介する。

「秋乃、こいつは私の幼馴染みで、千晴っていうんだ。3組だけど交流あると思うから、ちゃんと覚えておいたほうがいいかも」

後半は半分冗談で言う。
秋乃はそれが分かったようで、笑いながらも千晴に向き直った。

「千晴、よろしく。ウチは柊秋乃。秋乃で良いよ」
「うん、よろ〜。瑞稀によく会いに行くから、覚えてね〜」
「分かった」

二人とも、瑞稀の冗談を利用し、挨拶をする。
すると、近づいてきたのは・・

「よぉ。」
「・・あ、鈴乃、おはよ」
「おっはー。」

拓斗だった。
いつも遅刻ギリギリな拓斗が8時前にいるのは珍しい。

「きょうは早いんだね〜」
「嫌味か、八神。さすがに今日は決め事とかするから遅刻しねぇよ」

瑞稀の嫌味に、拓斗は軽く拗ねながらも答える。
一方、拓斗を知らない秋乃は首をかしげた。

「瑞稀、誰?」

隣にいた瑞稀に声をかけた秋乃。
その発言に、同じクラスなんだけどなと思いつつ苦笑した。
それは拓斗や千晴も同じだった。

「えっとね、こいつは鈴乃拓斗。一応私達と同じクラスなんだよ」
「え?」
「まぁ、お前は八神しか話してなかったみたいだから知らないのも当たり前だろうけど。」

そう、結局昨日は、秋乃は瑞稀以外の誰とも話そうとせず、ずっと瑞稀と一緒にいた。
周りは話そうとしたのだが。

「あぁ・・ゴメン。同じクラスだったんだ。よろしく」
「・・あぁ。よろしく。」

ため息をつきながらも、挨拶を返した。
そこで、チャイムが鳴り、昇降口の扉が開いた。

相変わらず、人でごった返している中を行こうとする秋乃を無理やり花壇まで連れていき、この混雑が済むまで待ったほうがいいことも説明した。



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