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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-6



始業式が終わり、教室に戻る。
そして、担任の中岡先生から転校生の紹介がされた。
やはり、柊秋乃だった。

「この子は栃木の学校から転校してきた柊秋乃ちゃん。秋乃ちゃん、自己紹介を」

先生がそう秋乃に声をかけると、秋乃は緊張した様子も無く、クラス全員を見た。
そして口を開ける。

「・・柊秋乃です。一年、よろしくお願いします。」

クールに、でもハッキリとそう言った。
外見と反した声に、皆も戸惑った。
担任も、例にない生徒に戸惑いながらも、なんとかしのごうとした。

「秋乃ちゃん、席なんだけど・・」
「・・何処でもいいです。・・あぁ、出来れば瑞稀の近くだと有難いです」

秋乃の口から出た名前に、全員が驚いた。そして、このクラスに一人しか居ない“瑞稀”へと視線を向けた。
おとなしく、自己紹介を聞いていた瑞稀も、驚いた。
すると、瑞稀は秋乃と視線が合う。秋乃は小さく笑った。
秋乃の発言と様子に、中岡先生は瑞稀へ声をかけた。

「瑞稀ちゃん、秋乃ちゃんと知り合い?」
「あ・・えっと、朝、校門のトコで会って・・で、職員室に送りながら話したんですけど・・」

それ以上に、特別な事なんか無かったハズ。
そう思いながら、未だに自分を見る秋乃を見ながら答える。
中岡先生も、諦めたのか溜め息をついた。

「じゃあ、瑞稀ちゃんの隣にしようか。ちょうど、1人ズレれば問題ないし・・・。」

その言葉で、瑞稀の隣に座っていた男子がランドセルを持って席を立った。
そして、一つ後ろに移動。
それを見た秋乃は、たった今開いた席に歩み、ランドセルを置いた。
未だに状況を良く掴めていない瑞稀へ視線を映した秋乃は小さく笑って、

「よろしく、瑞稀」

と、声をかけた。

去年までとは違う、別の波乱の年が始まった・・・。


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