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どうして....好きになってはいけないの?
【純愛 恋愛小説】

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動き出した時計-2

それから優羽は就職活動に本腰を入れたがなかなか決まらなかった。恵の事は気になったが、就職活動を優先させた。4月になって大学が始まってもまだ決まっていなかった。優羽自身そんなに早く決まるとも思っていなかったので焦る気持ちもなかった。数日前まで就職活動で実家に帰っていたが舞姫とも就職の話を中心とした当たり障りのないものだった。とりあえずバイト先に電話して現状を報告して、明日からバイトに出る事になった。
(恵ちゃんになんて言ったらいいのだろう....)
一瞬迷ったが優羽の答えは決まっていた....
優羽は恵に電話した。
「恵ちゃん?優羽だけど....」
「優羽君?どうしたの?」
「話しがあるんだけど...これから大丈夫?」
「.........」
「恵ちゃん?」
「ゴメン...大丈夫だよ!どこで待ち合わせる?」
「そうだな.......」
優羽は部屋の近くの河原で待ち合わせる事にした。
優羽が待ち合わせの場所に着くとすぐに恵が走って来た。
「ゴメン...待った?」
「いや.....俺も今来たところ....」
「話しって.....やっぱりあの事だよね....」
恵が空気を読んで、優羽が何も言わないのに聞いてきた....優羽は無言で頷いた....優羽は一呼吸置いて
「ゴメン.....やっぱり俺は....恵ちゃんとはつき合えない....自分の気持ちにウソをついて....」
「私は.....」
優羽の言葉を遮るように恵が何か言いかけたが優羽はその言葉を遮った。
「俺が嫌なんだ.....誰かを心に思いながら....違う人とつき合うなんて出来ない.......」
「やっぱりフラれちゃった.....」
恵が笑顔を見せた....それが無理した作り笑いである事は優羽にもわかった....
「初めからわかってた....優羽君の心の中に私が入り込む隙間なんて無いって....もしも....優羽君が....片思いしてる人の代わりに私とつき合うような人だったら....私....優羽君の事....好きになってなかったよ!」
優羽は恵にかける言葉が見つからなかった....
無理して作り笑い浮かべている恵を見ているのも辛くなった優羽は
「ゴメン.....」
それだけ言って恵に背を向けて歩き始めた。
「優羽君!!」
恵の声に優羽は立ち止まった。
「バイト.....辞めないよね!!」
優羽は声を出せば泣いてしまいそうなので....大きく頷いた....こんないい子をフルなんて何考えてるんだ!....優羽は自分で自分を責めた....このまま恵とつき合えば舞姫の事を忘れる事が出来るかもしれない....しかし....近くにいるのに思いが通じない....その辛さを優羽自身が一番知っている....恵にその辛さを感じさせたくない....だから....恵とはつき合えない....

その翌日....就職内定の知らせが届いた....


「優羽...内定もらったんだって!」
綾子からその話を聞いた舞姫は
「そう良かったね!で..どこ?」
綾子から聞かされた企業の名前はこの辺りでは有名な企業だった。
「そっかぁ...決まったんだぁ....」
舞姫は表面上姉としての立場を崩さなかった。
来年..優羽が帰って来る....それは舞姫にとって....何よりも喜ばしい事だった....


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