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どうして....好きになってはいけないの?
【純愛 恋愛小説】

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優羽の気持ち...舞姫の思い...-2

姉とは結婚出来ないと知ってからも優羽の気持ちは変わらなかった....人前で口にする事はなくなったが.....優羽は綺麗になっていく舞姫を見ている事しか出来なかった....彼氏はいない....今はそう言っているが....そのうち舞姫にも彼氏が出来るだろう....そんな幸せそうな舞姫の姿を見る事など想像するのも優羽には辛かった....舞姫に彼氏が出来る前に....舞姫の事を姉として見る事が出来るように....優羽が出した答えは舞姫と離れて暮らす事だった....地元の大学に進学する事を選ばないで関西の大学を進学先に選んだのはそれが理由だった....離れてていれば舞姫の事を忘れられる....舞姫の事を姉として見る事が出来る....優羽はそう考えていた....


優羽は家に着くとすぐに、自分の部屋に入り上着を机の上に置いて、ベッドの上に寝転がった。
「優羽!コーヒーを入れるけど飲む?」
階段の下から舞姫の声がした。
「うん...今行く....」
優羽がリビングに入ると舞姫がコーヒーをカップに注いでいた。舞姫は優羽を見ると
「もうすぐだから...炬燵に入って待ってて!」
「うん....」
優羽が炬燵に入るとすぐに舞姫がコーヒーを持って来た。
「はい!どうぞ!」
舞姫は優羽にコーヒーを渡して、優羽の向かい側に入った。
「ミルクと砂糖は自分で入れてね!」
そう言って優羽にミルクと砂糖を渡した。
「ありがとう!」
優羽はミルクと砂糖を受け取った。
舞姫はさっきの優羽の言葉が気になっていた....好きになってはいけない人を好きになったって....どういう事?....まさかそれが自分の事とは想像も出来ない舞姫は気になって仕方なかった....しかしそれを聞くのは躊躇われた....暫くの沈黙が続いた....
「ネェ.....さっきの話しなんだけど....」
舞姫が躊躇いがちに口を開いた。
「えっ?」
優羽は舞姫の顔を見た。
「私は...好きになってはいけない人っていないって思うの....」
優羽は黙って舞姫を見つめていた。
「例えば...その人が....結婚している人だとしても....優羽がその人を好きになるって事は問題ないと思うの....極端な話し....それが不倫だと後ろ指を差されても....優羽とその人の気持ち次第だと思うの....だからといって....無責任に告れとは言えないけど......」
優羽は舞姫から目をそらし窓の外を見ていた。再び沈黙が続いた。
「ゴメンね.....変な事言って.....」
沈黙に耐えられなくなった舞姫は自分の部屋へ行った。
「姉さん.....もし....俺の好きな人は....姉さんだよって言ったとしても....今と同じような事....言ってくれる?」
優羽はいなくなった舞姫に向かって呟いた....


その日から優羽はずっと考えていた....自分の気持ちを舞姫に告ってしまおうか....その結果....もし....舞姫に拒否されたら....それが怖くて出来なかった....黙っているのが一番いい....そう思う反面....自分の気持ちにケリをつけるために....そう思う自分もいた....
そんな事を考えているうちに、関西へと旅立つ前日になっていた....その日は、舞姫の就職祝いと優羽の進学祝いを兼ねて家族で外食した。父も母も嬉しかったらしくいつもよりワインが進みかなり酔っていた。なんとか二人を寝室に運んで、舞姫と優羽はリビングの炬燵に入った。
「よっぽど嬉しかったのね.....あんなに飲むなんて....」
舞姫もワインを口にしていたため顔が赤くなっていた。
「姉さんも飲んでいたみたいだけど大丈夫なの?」
「私はセーブして飲んでいたから....」
「そうなんだ.....」
二人共....あの日から会話が少しぎこちなかった....なんとなくそう感じていた....
「優羽?聞いてもいい?」
「何?」
「どうしてこっちの大学を受けなかったの?」
「........」
優羽は答えられなかった....まさか本当の事を言うわけにもいかなかった....


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