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凶眼
【制服 官能小説】

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〜第2章〜 木曜日 ミリア-3

 大会が近いことは地元の人もわかっており、特におかしいわけではないが、人目を引く―それも特に男性のー姿であることに違いはない。
 さらに最後の予想外は、彼女達が僕のいる喫茶店に寄り、後ろの席に座るやストロベリーサンデーとダブルチョコパフェを頼んでいったことにある。
 −どうする
 心の中で自問する。予想外ではあるが、考えようによってはチャンスだ。何しろ、相手はこっちに気付いてないまま、すぐ側で無防備に座っているのだ。
 だが、どう考えても人目に付き過ぎる。仮に首尾よく凶眼の虜にしたとしても、友達もいるし、人形状態の彼女をどこにあるかわからない家まで引っ張っていくのは危険極まりない。
 好機を待て、そう自分に言い聞かせながら、様子を見ることに決めると、彼女達注文のスィーツが運ばれてきた。
 「ん〜、おいし❤やっぱ甘いものは神様だわ」
 「アハハッ、甘いもの食べてる時のローラは、ほんと幸せそうね」
 「そりゃそうよ〜、この時の為にあの辛い練習を耐えてるんだから」
 「でも、あの辛い練習があるから、甘いもの食べても太らないのよ」
 「とか何とか言っちゃって、ミリアのチョコパフェのほうが、絶対カロリー高いよ」
 「え〜、そんなことないよ〜」
 他愛もない会話である。彼女達は気付いてないのか、気にしてないのか、駅構内を歩く男性達は、ガラス越しに彼女達に目を走らせる。
 おそらく早い便の電車に乗るため、着替えを省いてきたのだろう。だがブレザーを羽織っていても、短いスカートからこぼれる健康的な素足は、男の心を捕えてやまない。この調子では、どこを歩いていても目立つだろう。計画自体を変更しなければまずいか?
 「あ、そうだ、甘いと言えば‥、ジョンソン先輩に告白されたんだって?」
 ‥!?
 思わぬ名前に聞き耳を立てる。なんだって、あの恐竜が!
 「ちょ、ちょっと、いったい誰から聞いたのよ」
 慌てたように声をひそめるが、後ろの席にはまる聞こえである。
 「もう皆知ってるわよ。いいじゃない、スタープレイヤーだし、かっこいいし」
 ‥ところ構わず暴れまわる傲慢な屑だがな、と心の中で付け加える。しかし女の子の目から見れば、そう好意的にとらえることもできるのか?
 「そ、そりゃかっこいいとは思うけど‥」
 昨日殴られたところはまだ痛む。結局見た目や強いものに憧れるだけで、本質を見極めようとしない女の子の浅ましさにちょっと幻滅した。
 「‥でも、あの人なんだか暴力的で‥怖いわ」
 僕の中のミリアの評価は回復した。さすが、いい女は見る目も違う。
 「え〜、じゃ、もしかして振っちゃった?」


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