〜第2章〜 木曜日 ミリア-12
短い呼び出し音の後、女が応答する声を聞く。
「終わったよ、後始末を頼む」
電話口の向こうで嫣然とした笑いが聞こえる。それは決して馬鹿にしたようなものでなく、このことを心底楽しんでるような笑いだった。
前の時と違って、応答は短く済んだ。ここの住所を教え電話を切り、身支度を整え始める。
ベッドには裸の女神が横たわっていた。
あの後、彼女を裸にひん剥き、2度にわたって犯し抜いた。体中を舐めまわし、恥ずかしい体位をとらせ、容赦なく貫く。
彼女は喜んでそれを受け入れた。何故なら、僕のいかなる求めにも応じ、誠心誠意を込めてご奉仕する奴隷だからだ。
裸の尻を叩いて僕は寝室を後にする。夜明けが近いのか、リビングから見た空はうっすら明るんでいた。
不思議と疲れはなかった。いやそれどころか、力が漲ってくるかのようだ。
いよいよ、僕が本当に望むものを手に入れる日だ。期待で胸がはずみ、凶眼がそれに合わせるよう鼓動する。
豪奢な宮殿に裸の姫を残し、僕は次の獲物が待つ狩場へと向かった。