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凶眼
【制服 官能小説】

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〜第3章〜 金曜日 シルヴィア-1

 彼女にまつわる伝説は、現在ルーデンス学園に在籍してる者なら誰でも知っている。
 有名な「ガーランド事件」の立役者として。
 ロイス・ガーランドは去年末までルーデンス学園に在籍していた教師の名だ。30代独身、当時2年生の数学を担当していた男だが、評判は僕の知る限りでは最悪であった。
 傲慢が服を着て歩いているような性格で、授業では事あるごとに、人を馬鹿にしたような言動を放つ。その上蛇のように執念深く冷酷で、一度目をつけられた生徒は、延々と辛辣な暴言に晒されるのであった。
 さらに女には目がなく、女生徒に無遠慮な視線を投げかけるのもしばしば。実際何度か女生徒に手を出した疑惑が上がったのだが、決定的な証拠は上がらず、有耶無耶のうちに処理されている。
 こんな男が首にならなかったかのは、ひとえに学園理事長の親戚にあたる身分のおかげだ。彼を処分しようとした教頭が別の学校へ転任させられて以来、表立って彼に歯向かう教師は現れなくなってしまった。
 ‥全く、恐竜リック・ジョンソンといい、この学校はどうなってるのだろう。
 だが、暴君の支配は昨年度のクリスマスパーティーで、突如終焉を迎えた。
 創立30周年を祝うその年のクリスマスパーティーには、教育機関の関係者を含む、町の有志や多くの著名人が招待された。
 和やかにパーティが進む中「ルーデンス学園の足跡」という学園の功績を紹介するイベントで、その事件は起きた。
 「自然と調和する文化」という面白げのない論文で、最優秀市長賞を受賞したウィンストン女史は、並みいるお偉方の前でスピーチを披露した。学識豊かで、自然の大切さを熱心に語る彼女は多くの者に感銘を与えたに違いない。
 スピーチが終わりに近づいた頃、彼女は突然、現在学園がさらされている問題について口にした。毅然とした表情を揺るがすことなく、ガーランドを指さして。
 驚きにどよめく場内で、聞いていた生徒達はさぞかし痛快であっただろう。僕もそう思った一人だ。彼女はガーランドの悪行を包み隠さず吐露して、彼の性的被害にあって放校させられた女生徒のことを話にあげた。
 無論当人は馬鹿な話と一蹴しようとしたが、その女生徒は彼女の親友でもあった。当人の許可を得て決定的な証拠を衆人の前にさらしたのである。
 ことここに及ぶと、さすがに申し立てできなくなり、ガーランドは最悪な行動をとった。すなわち罵詈雑言を浴びせて、壇上のウィンストン女史に襲いかかったのである。後でわかったことだが、この時奴はしこたま飲んでいたらしい。
 哀れなガーランドは彼女のもとに5歩以上進むことはできなかった。運命の5歩目を踏み出した途端、猛烈なアメフト部のタックルで宙を舞い、カラテ部の蹴りで地に伏した。 さらに日頃の恨みとばかり、多くの生徒が殺到し、奴を押しつぶした。
 結局この騒動は警察の出動することになり、連行される際、ガーランドの顔は殴打で腫れあがり、右手が複雑骨折、ろっ骨3本にひびが入っていたそうだ。


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