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魔法少女ありす
【コメディ その他小説】

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カミラ-1

 カミーラは、自宅に戻るなり、家電の受話器を取り、ナンバーを打ち込む。
「私だ。誰かね?」
電話に出たのは、低音の中年らしき声の男。
「おひさしぶりです。伯爵。カミーラ・ドルベークです。」
「おおっ!これは、カミーラ嬢ではないか!君から、電話をしてきてくれるとは。察するに私の下僕になる気になったのかね。」
「なりません!」
「では、一夜の契りのお誘いかね?」
「やっかましい!このエロ伯爵!」
「君が、ツンデレとは、知らなかった。」
「そんなヨタ話するために電話したんじゃありません。」
「では、なにかね?」
「伯爵、私を売った?」
「おや、いつから君は売りに出されたのかね。」
言葉ににいやらしい含みが感じられる。
「なんだか知らないけど私は国際指名手配されたそうです。」
「私なら君を売るより買いたいと思うがね。」
「光栄ですわ。エロ伯爵」
飽きれて皮肉で返す。
「今調べさせたが確かに国際指名手配されてるな。しかし、これについてる美しいご婦人の画像は君じゃないだろう。」
「私です。もっとも約10年後の私の姿です」
「ほう、それは、それは、ますます君を下僕にしたくなった。」
「伯爵。ロリコンじゃなかったんですか?」
「次の報告が届いた。君の国際指名手配は正式な手続きで出されている。この意味が分かるかね?」
「政府が私を?」
「なにか政府の恨みを買うようなことをしたかね」
「……心当たりが多すぎて判りません。」
「はっ、はっはっはははははは……素晴らしい。私の下僕になれば政府に圧力を加えて指名手配を取り消させるが。どうかね?」
「結構です!」
がっちゃ−んと音を立てて受話器を叩きつけるように切る。
「税金上げるし年金減らす。政府ってろくなことしない」
カミーラは、その場でくるりっと振り返るように回転すると、黒い私服からピンクのキャミソールの姿に変わる。
クッションにペタンと腰を下ろして、はっとする。
「あれっ?政府が正式な手続きを踏んで指名手配にしたってことはマジに指名手配って事とじゃ……」
「凹む…。」
くずれるように床に寝そべる。
「どうした?新しい学校は、どうだった?」
「ラスカルさん。」
目の前にとことこと黒猫が現れた。
「ラスカルって名前は、変えてくれないか?俺は、猫だぜ」
「かわいいから、ラスカルがいいです」


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