カミラ-3
「う〜〜〜〜〜〜ん。」
「どうしました?」
同僚の滝一哉が、由美に話しかけてきた。
「ああ。滝さん。確か大卒でしたよね?」
「うん?そうだけど。なにかな?」
「ちょっと 手伝ってもらえる?」
「報告書とかあったっけ?」
「えっと、これなんですけど?」
学校のテキストを滝に見せる。
「これは?学校の宿題?」
「えっと…これが終わらないと業務に支障が出ます。非常に重大な案件です…」
滝は、くすっと笑うと軽く手を振る。
「了解。すぐに片付けてあげるよ」
「ありがとうございます」
滝は、由美から、テキストとノートを受け取ると由美の隣の自分のデスクに拡げて課題に取り掛かる。
ほんの数分で、テキストを閉じるとノートを由美に差し出す。
「はい、できたよ」
「ええっ?もう?すごーい。さすがキャリアは、違いますね?そんけー。」
「いや、いや。キャリアなんて現場では、役に立たないし、現場のたたき上げの由美ちゃんの方がすごいと思うよ」
「そんなことないですよ」
由美は、照れながら、頭をかく。
「ありがとうございました。おかげで助かりました」
「業務に支障きたしたら、困るからね。由美ちゃんは超常現象対策課のエースだから」
同日同時刻の山里家ありすの自室
ありすは、ベットで気持ちよさそうに寝息を立てていた。
当然、課題はやってない。
それどころか課題の存在さえ完璧に忘れている。