お茶会-1
そして、その日の放課後。
アンナミラーズだ。メイド喫茶だ。コスプレ喫茶と大騒ぎしたが結果的には近くのファミレスということになった。
ありすと由美とカミーラと連れ立って歩くが、ありすとカミーラは、肩に箒を担いでいた。
「はぁー。まるで、ボランティアで公園掃除に行くみたいだわ。」
「と言われてもね…ねぇ?」
「ごめんなさい。今日遅刻しそうだったもので。つい…。」
「小さくして耳の穴に納めるとか出来ないの?」
「孫悟空じゃないし…」
「孫?何ですそれは?」
「お猿のモンスターの話」
「お猿さん?」
「お話の主人公だよ。」
「どんなお話?」
「昔、三蔵というえらいプーリストがいて……」
「ちょっと待て。プーリストって何?」
「そのほうが、カミラちゃんに判り安いかと……」
「プーリストの三蔵が猿と犬と雉の3匹の妖怪を従者に従えてインドに聖典を求めて旅する物語だよ。それで孫悟空ってのは猿の妖怪だよ。」
「ありすちゃん…桃太郎が混じってる…」
「耳に収めるってのは?」
「孫悟空は、伸縮自在の如意棒ってマジックアイテムを持っていて普段、縮小して耳の中に入れて持ち歩いているの。」
「まあ!便利なアイテムですね。」
「呼べば来るから携帯性のこととか考えてなかった」
「本当ですね。携帯できるよう研究してみましょうか?」
そんな話をしながら、ファミレスに到着する。
店内に入るとウェイトレスが、訝しげな目で箒を担いでるありすとカミラを見てるが、職務を忘れてはいなかった。
「いらっしゃいませ。3名様ですか?禁煙席ですか?」
「はい」
3人には、ウェイトレスの案内に従い席に着く。
ありすとカミラは、壁に箒に立て掛けてから、席に着く。
「はい」
里美は、メニューをカミラとありすに手渡す。
「私は、ストロベリーパフェね」
「私は、チョコパフェと苺ヨーグルトサンデーとカフェオレサンデーと苺のミルクムースケーキにクリーミーカスタードプリンをお願いします。」
「そんなに食べるの?」
里美はありすのオーダーに圧倒される。
「私は、ロースステーキ450gをレアでソースは、ガーリックソースでお願いします。」
「肉食系なのね」
「2人ともいっぱい食べるね。」
「・・・魔法使うと、お腹空くんだよ。」
「そうなんですよね。」
「そうなの.はじめて知った。」