第1章-9
それが失せたとき、人は死に陥るのからなのだ。
その週末で学校が休みの時、美咲と沙也香の姉妹がこのマンションにやってきた。
二人は高崎が教えた地図を便りに来てみると驚いた。
そこはビルの上にある豪華なマンションだったからである。
ここに住む老人達は比較的裕福であり、預貯金を持っていたり、
個室を購入する時には溜めた資金だったり、
子供達のプレゼントや、子供がローンを組んで資金を調達したなど様々である。
その場所はマンションの高層にあった、
美咲と沙也香がエレベーターでその階を降りると広かった。
広さはまるでオフィスのようだが、所々に老人向けの設備や何やらが置いてある。
二人はそれらが珍しくキョロキョロとしている。
「やあ、いらっしゃい、良く来てくれたね、美咲ちゃんと沙也香ちゃん」
二人を出迎えたのは、あの高崎だった。
「あ、おじさん、こんにちは・・」
「はい、この間はありがとう、良く来てくれたね、皆さん待っているよ」
「そうですか、何かドキドキしちゃいます」
「あはは、そう固くならなくても良いよ」
「はい、ありがとうございます」
二人の美少女は顔を見合わせ、笑顔を作った。
不安な顔をして老人達を心配させないように、という配慮だろうか。
「ささ、部屋へ行こう、他のおじさん達が待っているからね」
「はーい」
その部屋には3人の、老人達が待っていた。
ここへ入居してから5年目で75才の、精力顔旺盛な川崎と、太り気味の竜崎、
そして頭の禿げ上がった佐々木である。
それにリーダー格の高崎であり、皆同じくらいの年齢だろうか。
とにかく皆精力と好奇心が旺盛な連中である。
こんな男達の妖しい計画も知らずに、
無垢で純真な姉妹は部屋に入っていった。
そのとき高崎は用心深くその部屋のドアを閉めた。
こうすれば見られることもなく、
他の人に干渉されずに、安心だからである。
しかし、この階の職員達はその部屋で何が行われるかは
何となく予想が出来ていた、今に始まったことでは無いからである。
報酬を受けている彼等にとって、そんなことは百も承知なのである。
「みなさん、これが姉の美咲ちゃんと妹の沙也香ちゃんです」
そういって、高崎は3人の男達に姉妹を紹介した。
部屋の中にはテーブルが3個と、3人掛けのソファーがが3個程置いてある。
彼等はソファーに座っていた。
姉妹が部屋に入ってくると、パチパチと軽く手を叩き彼女達を歓迎する。