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異形の妻乞い
【近親相姦 官能小説】

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第14章 -1

空港からバスと船を乗り継いで小さなチャーター機に乗って数時間。
早希は先に降りて待っていた慧次郎について岸に向かった。そこには小さなクルーザーが停泊していた。彼は迷わず早希の手を引いて乗り込み、エンジンをかけた。右手で舵輪を握りつつ操舵席下部を探る。ベリっと音をさせ、そこにあったキーチェーンを手に取って『姉さん、これ持ってて』と車と家用と思しき鍵の束を渡した。
十数分でたどり着いた小島のコテージもは既に家具が設えられている。慧次郎はキッチンに入って冷蔵庫の中身を確認した。
『姉さん、何か飲む?』巨大な冷蔵庫の前にしゃがんだまま弟が訊いて来た。
『お水がいいな。あるかな』と早希が言うと、シンク上の棚からガラスのコップを出し、軽くゆすいでミネラルウォーターを注ぐと早希に手渡した。
慧次郎は、ダイニングテーブルの角を隔てて早希の傍に座ると、一気に水を飲み干した姉に口づけた。待ちかねていたような、貪るようなキスだった。飲んだ水で冷えた口腔が互いの熱ですぐに熱くなる。
唇が離れてうっとりした表情の早希の頬を愛おしむように撫で、『俺、買い出しに行ってくる。姉さん休んでて。ベッドの下に室内着があると思うから』そう言うとまた慌ただしく外に出ていった。
寝室を探し、ベッドの下を探ると果たして霜降りグレーのスウェットの上下が大小入っていて思わず笑ってしまった。誰がここを準備したのか、容易に想像がついた。

小1時間も眠ったところでふと目が覚める。天井まで届く大きな窓からは一面に海が見え、傾き始めた黄金の光に波が輝いている。
台所に行くと、慧次郎の大きな背中を見つけてほっとする。
『慧ちゃん…何作るの?』台所で買い込んだ魚介類をさばき始めた弟の背中に早希が問う。
『ブイヤベース。残りのスープでリゾット作ると絶品だよ』いつもの穏やかな慧次郎に早希はホッとする。
慧次郎は手馴れた調子で主菜のブイヤベース、味に変化をつけるアイオリソース、ジャガイモ、ベーコン、黒オリーブのサラダを手際良く作った。ブイヤベースの残り汁でリゾットを作る時に備えて熟成の効いたパルミジャーノレッジャーノとおろし金もテーブルに用意した。デザートのムースまで作って冷蔵庫に入れた。
慧次郎が冷えたシャンパーニュを二人のブリュットに注ぎ『新しい生活に』と杯を上げた。
絶品の晩餐をゆっくり堪能し、初夏の風が流れこむ静かな寝室に慧次郎は早希をいざなった。
だが何やら慧次郎の表情が硬い。
『今日…今日ね…俺、姉さんに本当の俺を見てもらうから…』
これまで散々愛しあった弟の“本当の”の意味も、強張ったぎこちない表情の理由も早希は見当がつかない。
『慧ちゃん…何?それ…』
『うん…』と、慧次郎は早希の視線を逸らすと、自分だけ全裸になった。
190cm近い筋肉の盛り上がる堂々たる体躯を早希に向けると、ベッドに腰掛けた早希の手を取り『俺の、持って』と重そうに垂がった性器を握らせる。
慧次郎が早希の手を前後に動かせると、それは見る見る角度と質量を変えていく。
早希は今更ながらその大きさに目を瞠る。いつもの角度になっても慧次郎はなおも早希に扱かせる。
その直後、驚くべき事が起こった。握った肉塊は更に太くなっていつもの倍になり、その側面に溝ができた。
そして、上下二本に割れたのだ。
早希は瞠目した。
『これを、姉さんに挿れたい』懇願するような弱々しい表情で慧次郎は姉を見つめて言った。
早希はしばし言葉が継げず『…あの…でも…どうやって…?』とようやっと訊いた。弟の性器の異常な形状に驚いて頭の中が真っ白になっている。
『俺のを、姉さんの前と後ろに挿れたい』慧次郎は驚くべきことを言った。
『…』早希は絶句して言葉も出ない。『そ…んな…慧ちゃん…』受け止め切れない現実に加え、想像だにしない弟の要求に早希はおろおろするばかりだ。
『痛くしない。ちゃんとゆっくり拡げるから…』
『だって…汚いもの…。それに…そんな…恥ずかしい…』赦しを乞うような表情で早希は弟を見上げた。
『汚くない。姉さんはどこもかしこも綺麗だ』思いつめた表情で弟は言い募る。これからの長い一生過ごす生涯の伴侶に自分の全てを受け入れてもらいたい―。慧次郎は必死だった。
『いや…だめよ。だって…ばい菌が入る』早希は項垂れて首を左右に振る。
『…風呂にいこう。洗えばいいでしょ?』
慧次郎はなおも食い下がる。早希は顔を赤らめ『…いや…慧ちゃんに見られたくない。洗うなら…一人で…洗ってくる…。ね…?』そう早希は覚悟を決めて立ち上がった。
『待って。これ…使って』と、慧次郎がサイドボードの引き出しから取り出したのはチューブの付いたふいごだった。この子はこんなものまで用意してたのか―。早希は慧次郎の得体の知れなさに、少し空恐ろしくなった。
早希はそれを受け取ると重い足取りで浴室に向かった。
チューブを入れてふいごを押し、たらいにためた湯を入れた。早希は深呼吸を一つしてしゃがむと、チューブの先端を後孔にあてがい意を決して先端を挿れる。
ふいごを踏んで直腸に限界まで湯を入れ、シャワーで流しながら下腹に力を入れて後孔から湯を押し出す。
最初の湯は黄色く、羞恥と違和感で顔が歪んだが、何度か同じ事を繰り返して後孔から出る湯が完全に透明になるまで繰り返した。

一方、慧次郎は不安な気持ちで早希を待ちながらも、新居をぐるりと眺めて張り詰めていた緊張の糸が解けていくような安らかさを同時に味わっていた。長い6年だった。いや、早希への想いを自覚してからならば20年だ。自分には早希以外に惹かれる人はいない。早希を娶りたい。だが弦一郎には恐らくそれが大きな損失になる。それが判っていて弦一郎が早希との仲を許すはずはない。ゆりえにとっては一族の存続の為に早希と自分がつがう事が大事だったろうが、早希を抱くうち慧次郎には一族事は視野から消えて行った。ただ自分の生涯にとって何者にも替え難いのが早希だと言う事を思い知った。
これで過去の全てが終わり、望む全てが始まる―。


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