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『家族』
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『家族』 2




あぁ…

これが本来の

私が知っている

パパとママ。




私は

妙に安心し

落ち着き



────……。



ゆっくりと

静かに

目を閉じ

微笑んだ。






ねぇ…パパ?

ねぇ…ママ?

お願い

良い子にするから

我儘言わないから

ちゃんと寝るから

片付けもするから

言う事を聞くから




だから



だから


ちゃんと


私を見て…







そのうち
私は激しい痛みを感じ
目を覚ました。

ふいに
現実に引き戻された
私の視界に
入ってきたのは


おそらく
可愛い息子の為であろう
たくさんの
おもちゃ…

それを手に取る
天使の様な笑顔の弟…

満面の笑みで
弟と戯れるママ…


物凄い形相のパパ…


パパの右手に光るモノ…


鋭く妖しく尖って…



獲物を見付けたと


薄笑いを浮かべる。




鋭い刃先には
真っ赤な液体が滴る。

おそらく
私の血液であろう液体は

餓えた刃物に

徐々に潤いを与える。




私は


無表情を創り

彼を見上げる。



パパは

うっすら

唇の端を持ち上げ


手を振りかざした。






何とも言えない感覚。


熱い様な。


冷たい様な。



あ…れ………?お腹の辺りが………



パパ?



私をみて、笑って。

そんな汚いものを扱うような目で見ないで



あっ………


弟が私を指差して笑ってる………


ママもその横で微笑んでる



私大好きだよ

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