サマザマなテンドウとジゴク 1
僕が今ココにいること…立っていること…例えば…ここにジャマが入ったトして。今のボクはジャマモノに何をするだろうか…
消す
それしか思い付かないよね…僕は僕のやり方で…足立卓のやり方でさ…じゃあ僕の中に眠るあと何人ともわからないモノ達はどうする?
えっ?
消すの?
違うの?教えて…僕に…誰か…
僕「足立 卓(あだちすぐる)」はあがいても足立卓なんだと信じている。だけど時々考えてしまう。僕の中にいる「ヨータ」と言う人物の存在を。彼が外に出るのは夜だけ…のはずだったのに…。今は僕が昼寝をしたりしている時にでも出ているらしい。目覚めると横に女が寝ているというのが最近よく見られる。首にはあるはずのない愛を貧りあった痕が無数についていた。
「すぐる…出せよ…俺を…」
ふざけるな…ふざけた事をぬかすな…俺は…
俺は…僕は…僕は…
「ヨータ???もう行っちゃうの??」
「お前とヤリすぎて体力限界だよ…だから寝る。じゃあな???」
こんなやりとりは卓の魂が眠っている時だけ。俺が唯一飛び出せるのは卓が休んでいる時だけ。これでも動ける時間は長くなった方なんだ。
今日も見知らぬ女と快楽を貧る。相手がイこうがイかまいかなんて俺には関係ない。俺がイけばそれで良いんだ。女の顔に俺の白濁をかけられれば…それで女にキスの1つくれてやれば無言の契約はいつのまにか結ばれているのだから…
さよならは言いたくないのにとか…
よく言うじゃねぇか。
「おまえさぁ」
「ん?」
女に顔向けて真顔で聞いてみる。
「俺のために死ねる?」
少し馬鹿にしているのが表情から読み取れる。
「う〜ん…死ねる」
「ふぅん」
俺はベットから立ち上がり台所へ無言で進む。
「…?何すんの?」
「りょーり」
鼻歌まじりで俺は材料のもとへと歩み寄る。
「……死んで…くれんだよね?」
ニヤリと笑う俺と引き攣る女の顔がたまらなく気持ち悪い。