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DEATH GAME
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DEATH GAME 9

男の叫びがした。
男に駆け寄ると右手を撃たれ悶える姿があった。
「くひぃーっ!」
男が怯えた目を向けた先にはロケットランチャーと自動小銃があった。
「これで殺さないでってか?」
「アァーッ!」
もちろん僕は殺すなど考えていない。
「殺さない代わりに自動小銃を頂くよ。ロケットランチャーは置いていってやる。僕らを狙うな!」
男は何も答えなかった。
僕は自動小銃を持って京香さんの元に戻った。
京香さんは僕が殺していないのを解っていた。
京香さんに自動小銃を差し出すと
「これはなに?」
と言った。
「AR16A1です。アメリカ軍が使ってる銃です。セットされているマガジンは空になってます。だから殺さないで済みます。危ない時にはこのマガジンをセットしてください。」
「でも…」
「とにかく持っててください!」
「キラくんが言うなら…。」
それから間もなく暗くなり、近くの死体の無い部屋に隠れた。それからしばらくして僕はライトを見つけた。
「何してるの?」
「ライト見つけました!電池もあります!」
「ふ〜ん。」
反応イマイチ。なんでだろ?


「…ちょっと…。」
「どうしたんです?」
「ちょっとトイレ…」
「どうぞ…?」
「……一緒に来て。」
「はい…」
しばらくトイレの前で待ち、再び二人で戻った。
僕はその時何も京香さんの気持ちを感じていなかった。
うとうとしていると京香さんが横になったまま近づいて来た。
すると突然京香さんは僕を抱きしめた。
びっくりした僕は
「京香さん?」と尋ねた。「…恐いの…。一緒に眠らせて…」
「そうですか…」
僕も京香さんをなるべく優しく抱きしめた。
彼女の背中を確かめるように…

2日目終了。

幸いにも僕はここ数年振りに悪夢から解放された…
京香さんにどうか悪夢が向かわないように…
「キラく〜ん♪」
チュッ!
3日目の目覚めはいきなりの唇の感触だった。
「何!?びっくりするから止めてくださいよ…。」
あがりながら反論した僕に京香さんは
「かわいい〜♪あがってる〜!」と言った。
「…もう。」
彼女に癒されたのか、僕は悪夢に飲み込まれなかった。
「あの…、昨日の夜はありがと。」
京香さんは女神のような優しい笑みをたたえていた。

僕こそありがとう。京香さんのおかげで悪夢から解放されたんです…


しかし、京香さんには何も言えなかった。

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