手紙 2
麻美が捨てる時に丸めたのだろう、その便箋は皺だらけだった。
ただ、異様な白さだった。皺さえなければ純白の新品に見えただろう。
智子は恐る恐る便箋を受け取り、慎重に観察した。
宛名は入っていない。
二つ折りになった中身を取り出し、開く。
そこには機械的に美しい文字で、こう書いてあった。
「不幸が 訪れる 逃げられない もう 終わらない」
都市伝説として語られる内容とは少し違うが、得体のしれない不気味さを感じて、智子は背筋に冷たいものを感じた。
「どうしよう…智ちゃん…私…死んじゃうよ…」
麻美は心底怯えている。昔からおっとりしていて、何でも信じやすい性格だった。
「…とにかく手紙について調べてみよ?イタズラかもしれないし…」
この手紙がイタズラなのか呪いの類いなのか…それは分からない。しかし、誰かが悪意をもって麻美を苦しめているのは確かなのだ。