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戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

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戦艦空母艦隊 85

「やはり、道のりは長くなりそうですな」
「白人至上主義者により迫害された者がナチス思想に騙されたり、逆に白人至上主義者がナチス思想に共感する事になれば……」
「うむ、ありがとうございます」
「私の様な政治に素人では役に立つはずもないのですが」
葵川は謙遜しているがその行動力は高い。
「新太平洋艦隊からは増援としてYAMATO級四番艦と五番艦が来る予定です。完熟訓練はカリブ海でやってます」
「ほう……」
「順調ですよ、技師士官も学ぶ事が多いって言って設計図を起しているようですが、よろしいのですか?」
「日本海軍は戦後この様な戦艦を建造しないでしょう、飛鳥も戦後情勢次第では空母に改装される可能性もあるのです。YAMATO級も空母改修できるように設計図を送付してます」
「な、なんと」
「この大戦も戦争を変えるのですよ」

「戦争を変える?」
「先の大戦では戦車に飛行機が登場しました、今回の大戦は空と海は航空機決戦、陸は戦車による決戦が情勢を左右すると見てます。兵器を動かすのは人間です。だからこそ国や民族の枠組みを超える事が大事なのです」
「なるほど、亜細亜各国に近代化を促しているのはこの為ですな」
「列強による支配は憎しみを残すだけです」
「司令官、大変です」
「何事だ!」
「ホワイトハウスが攻撃されました。敵誘導弾と思われます」
「なに」
「やはり、彼らも動き始めましたか」
「彼ら?」
「米国建国以前から活動する“闇”……影の政府、彼らはヒトラーに寄るつもりで仕方でしょう」
アイゼンハワードが告げると言う。
「詳細は?」
「混乱してます、トルーマン大統領を初めとする要人の安否は不明」
「我が国の防空網を掻い潜ったとなると」
「艦載機搭載可能のUボート、同盟時代に計画段階のイー400潜の設計図が渡っている可能性もあります」
葵川はこの時期海軍中枢に出入りしてないので分からないがそんな噂が漏れ聞こえていた。アイゼンハワードはユナイテットステーツに戻り指示を出す。
「司令官」
「万が一の時に備えておけ……最悪クーデターかもしれんぞ」
「!!!」
「(抗日派の連中を煽ったのかヒトラー)」
寧ろ影の政府の連中かもしれない、彼はそう思いつつも海原を見た。

日が落ちる頃には大体の流れがつかめた、まず大統領を初めとする政府要人とその家族は無事……と言うのも爆撃数時間前に匿名で独逸潜水艦から爆撃機が離陸したと言う一報が大統領執務室の電話に入り大統領らは直ぐに機密地下通路を通って近くの海軍基地にあるシェルターへと避難したのである。ロモアラモスの一件により独逸や日本が核兵器を使用し、ワシントンD.Cへの攻撃を想定して核シェルターを設置していた。幸いにも通常弾頭だったので事無きを得たが米海軍と空軍の威信はガタ墜ちである……独逸潜水艦と特定できたのはセイルに鉤十字がデカクペイントされていたからであり、発艦の際には地元漁船や加奈柁連邦(カナダれんぽう)海軍の沿岸警備艇や駆逐艦の乗務員らが服装から独逸軍と断定したからだ。Uボートは退避する際に多くの魚雷を発射して恐るべし速度で脱したのである。
「派手にやりましたなぁ」
「敵ながら天晴れと言うしかあるまい、YAMATO型にはソナーを装備していたな」
対独逸戦を想定もしているが巨大戦艦は止まるのは困難、更に日本は世界的にも有名な海の難所を複数個所あり米海軍が日本軍の軍港を使う事も想定してソナーは潜水艦並に強力なモノを装備、飛鳥を初めとする極光艦隊の主力艦はソナーを装備している。
「はい、我々と同じモノです」
「嫁入り先が大変な時にこそ真価を問われるぞ、敵潜水艦の出現位置は加奈柁連邦(カナダれんぽう)派弩尊(ハドソン)湾だ」
「機雷源がある筈です」
「その機雷源の地図を自由に入手する立場に居るとしたら、ナチは海外にも党員が居ると言われている。無論大ぴらっには出来ないがね」
「ま、まさか」

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