世界再構築戦争 1
時は2030年代…
世界は壊れた…
ある国では、イスラム原理主義が横行し…
ある国では、独裁型共産主義が復活し…
ある国では、ネオナチがクーデターを起こし…
数多くのテロと争いが発生したのだ…。
ある日、ある国から3発の核が放たれた…
一つは、イラク・バグダッドに
一つは、北朝鮮・平壌に
一つは、日本・仙台に
―2041年12月8日
日本は米国政府に対し、宣戦布告。
第二次太平洋戦争勃発。
これが【世界再構築戦争】の始まりであった…
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―時は過ぎて 2060年
―東京・調布市
白色に身を染めた1機の戦闘機が、大空を駆けている。
その機体を追走せんと、深緑の3機の戦闘機が背後についていた。
『全機散開』
『『了解』』
深緑の戦闘機―日本国防軍支援戦闘機【F-3A】。この戦闘機は“元アメリカ空軍”の【F-35】を元に日本で開発された多用途任務戦闘機(マルチロールファイター)である―は三方向に散開し、前方の白色の戦闘機を攻撃圏内に捕らえようとしている。
しかし、白色の戦闘機はF−3Aに捕らえられる寸前に一気に上昇して振り切る。
それを追走しようとF−3Aも上昇したが、既に引き離され過ぎて、レーダーに反応していなかった。
そこに白色の戦闘機が舞い戻ってきて、3機のF−3Aをロックオンした。
F−3Aのパイロットは反応に追いつけず、ましてはレーダーに映らないため何も出来なかった。
『ミサイル、セット。…発射っ!』
『演習終了、演習終了。直ちに帰還せよ』
白色の戦闘機と3機のF−3Aは、調布航空隊基地に着陸し、格納庫へと納められた。
白色の戦闘機のコックピットから降りてきたのは、長身の男性…いや、少年であった。
「ご苦労、大尉。感想はどうだい?」
白色の戦闘機に近づいてきた整備士に尋ねられた少年パイロットは、不機嫌に答えた。
「ダメだなあれは…。相手のパイロットは既に飛行時間が220時間を越えるってのに、この程度では…」
「…大尉が相手では、彼らが可哀想だってυ。それに大尉の乗ってる【ゼロ】では月とスッポンの差だし…」