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「キャー」突然街中に悲鳴が響いた。男が女のこめかみに銃を当てていた。しかし、誰も振り返ろうとしない。このようなことはここでは日常茶飯事なのだ。そこに別の男が表れた。男の名はグラム=セリオン。
グラムは二人の前で立ち止まり、じっと視線を注いだ。
「…何見てやがる!」
女のこめかみに銃を押し付けたまま男は叫んだ。
「君ら」
グラムは何を分かりきった事を、とでも言いたげにさらりと答えた。
男は呆気に取られた様子を一瞬見せたが、すぐに元の調子に戻る。
「てめぇもぶっ殺されてぇか!」
「その女、殺すの?!」
男の言葉に目を輝かせながらグラムは言った。
今度は女も共に呆気に取られる番だった。グラムの目はキラキラと輝き、女が殺されるのを今か今かと待っていた。

と、その時だった。「動くな!こちらは香港刑事のジャッキーだ!」辺りに響き渡るくらいの大声で犯人に説得する。「動くなよぉ 動くと撃つぞ!」
「あいつら動かしたら撃ってくれるの?」
グラムが無邪気に聞く。ジャッキーと名乗った男は今まで男女に向けていた銃口をグラムに移した。
「貴様を先に殺す!」
グラムは、あれ?とでも言いたげな顔を向け、男女とジャッキーを見比べた。
「ん〜、俺が殺されるのは困っちゃうんだよね」
そう言うと、自分に向けられていた銃口をじっと見つめ、ジャッキーの顔と見比べた。そのまま視線を男女に戻し、しばらくそれらを眺めると、今まで輝いていた瞳から一気に輝きが失せた。そのまま興味すら無くなったのか、くるりと体を反転し、集団から遠ざかる。
「お、おい!どこへ…」
瞬間、ジャッキーと名乗った男の手から銃が落ちた。
正確には、指ごと落ちた。
ゴトン、という音が街の騒音に消された。
本人は何が起きたか分からない様子で口を開けたまま固まっている。
同時に、女を抑え込んでいた男にも異変が起きた。
徐々に指が開かれ、手から銃が落ちる。そのままゆっくりと両手が自らの両耳に添えられ、大きく口を開くと、口と耳、鼻から噴水の様に彼の血液と臓物が溢れ出た。

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