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ARMORED WESTERN
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ARMORED WESTERN 1

時は18世紀。イギリスで起こった大産業革命は科学技術を光の速さの如く進化させた。
蒸気機関は蒸気発電になり、すぐに原子力発電に取って代わった。その原子力発電でさえ、数ヶ月後に永久機関が開発され直ぐさま使用禁止となった。
機械技術も発展し、ロボットやサイボーグ、人工知能AIも造られるようになった。

イギリスはこの技術をヨーロッパ、そして独立したばかりのアメリカにも伝え、各国の発展にも大いに役立てた。
しかし、この技術はアメリカ東部には広まるものの、開拓の真っ只中である西部には大きくは広まらかった。
今、アメリカ西部は木造の家屋とサイボーグの人間が同時に存在する、混沌とした空間になっていた…
ある西部の町の門の前に、一人の男が立っていた。この町の男ではなく、旅人の様であった。
男はテンガロンハットを目深に被っており、また、身体を覆っていたマントの襟が立っているため、顔の表情も、そのマントの下の体格も解らなかった。
『…寂しい町だな』
男の胸から電子的な声が聞こえて来た。男の口は動いていない。
『この様子だと”奴”はこの町に潜伏していると見て間違いないだろう』
電子の声はそう続ける。この町の人々はあまり外に出ていなく、歩いている人も早足だった。まるで何かに怯えているようだった。
『”奴”の影響は町中にあるようだ。さてスミス、これから…』
「情報収集をする」
男は初めて口を開いた。澄んだ肉声が響く。
『…珍しいな、いつもならまず宿を取って落ち着く君が』
「時間と金が無い」
『そうだったな…』
電子と肉声の声はそうやり取りすると、男は町の中を歩き出した。

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