PiPi's World 投稿小説

契約
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 0
 2
の最後へ

契約 2



男は答えた

(今殴られている人と,俺を含めた周りの人達です)
 

少しして,男は止めに入った…自分でも驚くほど大きな声がでていた
周りの何名かも,止めに入り
警察が来て,二人は連行された


「…君凄いね!!」


いきなりの声に振り返ると,同じクラスで
俺が好意を持っていた,カナだった
むこうも俺に,好意を持っていたらしく,このことをキッカケに付き合うことになった

「私は,見ているしか出来なかった.…」


そう言う彼女から,ふんわり良い香りがした…


その時,頭の中で


((どの感覚にする?))



無情にも,代償として五感の一つを捧げなければならない


男は考えた,視覚は困るし…もう,彼女の香りは認識出来なくなることは,辛い…
しかし,嗅覚を代償に捧げることにした


(…嗅覚にします)


男はゆっくり答えた

男は
彼女の香りを,もう感じることが出来なくなっていた

少し,泣きそうになるが彼女を大切にしようと,心に決めたのだった

………


あの事件をキッカケに付き合い始めた
2人は,もう4年目

今日は
彼女の誕生日,男は,プレゼントを渡す

けして値段は高くはないし,ブランドではないが
彼女が欲しがっていたアクセサリーだった

彼女が喜んでくれることが,何より重要だ


食事に向かおうとしていたとき,
遠くに,人がたくさんいて,ザワザワしていた

そこに,近づいていくと,ビルの屋上から
今にも飛び降りそうな人が…
周りの説得にも応じようとしない様子である

(悪魔さん…あの人を助けて下さい)


久しぶりに,悪魔にお願いをする男は緊張していた


((よぉ…死にたい奴助けてどうなる?生きていても辛いだけじゃないのか?))


男は答えた


(生きていたら,必ず良いことがある…だから助けてあげて下さい)


((…助けるのは一人につき一つの願いだ.いいんだな?))


(ああ,生きていたらいつか幸せになる方に賭ける)


その答えを聞き,悪魔は問いかけた

((この願いは誰の為?))


男は答えた


(自殺しようとしている人と,彼女の誕生日に誰かが死んで欲しくないんだ)


((分かった…))


自殺をしようとしていた人は,母の説得を聞き始めた

何時の間にかの,母の出現にみんなは違和感を感じていない様子である

きっと悪魔の仕業だろう


自殺しようとしていた人は,説得に応じはじめ,遂に,止めることに成功した

悪魔のおかげで…


「あの人は,また死を考えないかな?」

彼女が心配そうに呟いた


「大丈夫…彼はもう考えないよ」

(悪魔のおかげでね)

男は,彼女に笑顔で答えたのだった


((今度はどの感覚にする?))


やはり,代償は必要なのだ

男は,今から行くレストランの食事を思い浮かべたが,

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す