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Hidden
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Hidden 7

ダダダダダダッ…、光秀はいったん逃げると、トラックの陰に隠れながら何度も兵士を撃った。防弾チョッキをつけている胴体はもとより、頭や足を撃っても兵士は立つ続けていた。
「チッ裏切り者はサイボーグってか?おい女、ここを動くなよ!!」
光秀は先生をトラックの陰に残し、そこから飛び出した。
ババッ、光秀は飛び出した時腹部に二発の銃弾をうけたものの、転がりながら兵士に銃を撃った。それでも兵士は撃つのを止めない、トラックの“角”に向けて。
「どういう事だ、俺が見えてないのか!?」
「そう君と同じでね」
グサッ、倒れている光秀の背中から腹を何かが突き抜けた。彼が背中を見ると銀色に輝く刀が自分に刺さっているのが分かった。しかし刀だけで、それを使う者がそこにはいなかった。
「グフッ」
「“恋人”は返してもらうよ」
光秀は最後の力をふり絞り先生に銃を向けたが、それを握る手に銀の刀が突き刺さり、銃を撃つ事なく息絶えた。
俺は光秀の最期を見届けると、駅の兵士を殲滅して“恋人”を迎えにいった。ステルスの効果を消すと、俺は先生に近寄り手を差し延べた。
先生の顔はあの時の少女、そう義理の姉にそっくりだった…、でも先生は俺の顔を見ても震えている、いや、俺の顔を見てから余計震えだしたようだった。
俺は先生を気絶させると、そのまま彼女の部屋のベッドまで運んでいった。月明りに照らされた彼女の寝顔は、とても美しかった。

名残惜しかったが、返り血をつけた顔で俺は校長室に戻る。しかしそこにチャップリンの姿はない、嫌な予感がした俺は地下の階段を駆け降りた。
予想通りそこにも兵士がいた、この通路では俺が最強とも知らずに…
俺の居合が屈強な兵士たちを人形の様に斬り倒していく、銀に光る刀が一本の線のように地下まで続いていた。
早過ぎる居合と多過ぎる敵は、暗闇での居合いの効果を少なくしていた。
地下に着くと俺は急いで道場へ向かった。そして道場の前までくると俺は銀牙を見て頷き、その扉を蹴破った。
「早かったね、藤森飛鳥くん」
道場には黒いスーツにオールバックの頭をした男が、俯せのチャップリンを足で押さえつけていた。
「その足を退けろ!!」
俺の叫び声に男は冷静に答える。
「そう熱くなるな、銀牙さえ返してもらえればすぐに帰ってやるよ」

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