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Step up!
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Step up! 9

「こんにちは。リナと申します。特別魔術推薦で入学しました。得意な魔法は…闇です。これからよろしくお願いします。」
一瞬、教室の空気が固まった。緊張が走った。
「…よ〜し、今日は解散だ。明日から普通に授業だからな、しっかり頑張れよ!」
 
 下校時はいつも四人だったが、今日はリナが増えて五人だ。
「ユウライ先生って何て名前なんですか?」
「ヴェリルだよ。何でそんな事聞くの?」
「あの、ちょっと変わった名前だと思って…」
「そう言えば、皆宝石は何にした?」
マイケルが思い出した様に言った。
「私はペリドットにしたよ。」
メアリーが杖の宝石を指差す。
「私のはルビー。」
カレンが続けた。セージは
「俺のはエメラルド。」
続けてマイケルは、
「俺はサファイアにしたよ。リナは?」
「…ブラックオパールよ。なかなかきれいですよね。」
一瞬、空気が固まった。その宝石は、回りを吸い込みそうな深い黒。
「…わぁ…、ほんとだ…。」
「これ、高かったんじゃないの?」
「お父さんから貰ったんです」
「値段は付けられないって事かな」
 
 その後、二人は皆と別れ、家に向かった。
「おーい、マジカルツインズ!」
いつのまにかユウライが後ろを歩いていた。
「あれ、ユウライさん。早いですね」
「ま、新魔法でちょいちょいっと……説明は後ですよ」
ユウライは二人が目を輝かせたのを見て慌てて付け加えた。
仕方無いのでカレンは気になった事を聞いてみた。
「ユウライさん、リナって子の事なんだけど…」
「特別推薦枠で闇使いの?珍しいですよね。」
「僕達闇魔法にあんまり良いイメージ無いんだけど…」
「それはしょうがない事だと思います。罪を犯すのに闇魔法は便利ですから」
「……」
「でもこれだけは覚えておいて欲しい。闇とは即ち光の無い状態。ならば闇魔法はその光を何処へ遣るのか?昔は熱に変換されると考えられていたが、最近の魔法科学ではそれは術者の体内に蓄積されるという事が解ってきた。これが意外と負担になるらしい…十分気遣ってあげるんだぞ」
 ユウライは『教師』である間、少し人が変わるらしい。
「はい、分かりました、ユウライ『先生』」

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