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Step up!
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Step up! 7

 ユウライが居なくなると、隣の子が声をひそめて聞いてきた。       「あの先生、知り合いなの?」          心なしか興奮している様だ。           「うん、そうだよ。…そう言えば、名前まだ聞いて無かったよね?私はカレン。あなたは?」      「私の名前はリナ。今年から入ったから、分からない事が多いので、いろいろ教えて下さい」      急にかしこまられてたじろぐカレン。       「後で私の友達紹介してあげるよ。多分今は後ろの方に立ってると思う」
『次は、教職員による模擬決闘です!』      先輩達はこれが楽しみだったらしく、前の方から大きい歓声があがった。   『最初は、実技のフランシス先生と、新任のユウライ先生です!皆さん、見やすい所へ移動して下さい!』
すると、校庭の真ん中に台が現われた。そして、二人の先生が立体映像として浮き上がった。生徒が数人よろめいて台から降りていくのが見えた。      『ユウライ先生は魔法開発が専門なので、見たことの無い魔法が飛び出すかも知れません。では、始め!』
 カレンとリナは人の波に呑まれ、いつのまにか特等席に押し出されていた。 二人の教師は台に上り、杖を構えて睨み合っている。「頑張れ、ユウライ先生!」           「頑張って下さーい!」 ユウライを応援する声は殆ど無かったが、二人は声を張り上げた。      
バチィッ!!      
勝負は呆気なく終わった。フランシス先生の杖は手を離れ、地面に叩きつけられていた。        「???何をしたの?」 ユウライがマイクをとり、恐らく生徒全員が感じたであろう疑問に答えた。
「今僕はフランシス先生の杖にかかる重力を、大幅に引き上げました。これはまだ開発途中の魔法で、魔力の消費が莫大である等の欠点がありますが、まだ僕にしか使えません。自分だけの魔法が使いたい人は、是非魔法開発を選択して下さい」
どうやら勝者は自分の科目の宣伝ができる様だ。
「ま、1年生は必修ですが。発展内容を学びたければ2年生でも選択して下さい。」
ユウライはそう言って立ち去った。

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