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THE ENDLESS
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THE ENDLESS 8

 そんなカフカと一緒に行動する機会があった。
「今回の任務はGー26にある廃ビルから重要書類を取って来る事だ。」
 どうやら、かなり特殊な任務のようだ。
「重要書類の判断方法は?」
落ち着いた様子でカフカが問う。
「見れば判る筈です。他のギルドの者も来ている可能性が高いので、気を付けて下さい。」
そして出発間際にジークに一言、付け加えた。
「カフカさんは気が短いから気を付けろよ」
全く持ってその通りだった。

「何をしとるか!さっさと来い、馬鹿者!」
「す、すみません!」

 この仕事が始まって、すでに五回目の『すみません』だ。
           「俺は少ししか時間が無いんじゃからな!」

 何でこんな短気な爺さんと一緒にいるんだろう俺は……
 その時、カフカが急に立ち止まった。

「どうしたんですか、カフカさん?」
「…おかしい。他のギルドの奴等が見当たらん!」
「えっ?」

 そういえば、始めて結構な時間が過ぎているが、まだ誰とも戦闘になるどころか人影さえ見当たらない。

「確かに。どうしますか?戻ります?」
「いや…進むぞ。とにかく重要書類のとこまで行こう。だが、用心しろ!」
            そこからは、それまでとは違った緊張感に包まれていた。
 それまで小言ばかりだったカフカさんは全く喋らなくなり、辺りを伺うように進んでいる。

「着いたぞ。ジーク。」
「確かにすぐ分かりますね。」
            その会議室のような部屋にポツリと書類が置かれている。

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