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Gear〜鍵を成す者〜
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Gear〜鍵を成す者〜 7

「行こう“敵になったはずの国へ”」リオは赤兎の頭をなでた。
町の大通りを赤兎はゆっくり歩く、古い建物が前から後ろへ流れていった。
門をくぐるリオと赤兎、背中に見える門は小さくなって、地平線に消えた。
リオは笑顔で言う「良い町だったね」
「町のどこが?」赤兎は素っ気なく質問した。
「覚えてない」リオは即答する。
赤兎が笑い、リオもそれに続いた。


空は月と太陽がでていた。ゆっくりと空の色が明るくなっていく。森の中の道を一人の旅人が歩いていた。
旅人の進む先に二人の男が立っている。
「ここから先を進むには金が必要だ」男の一人がナイフを旅人にむける。
「そ、そうだったんですか……お金は持っていないのでこの宝石をどうぞ」旅人はそれを男に渡すと、頭をさげて二人の横を通りすぎた。
ズドーン、森の中を轟音が響いた。旅人はうつ伏せに倒れている。
「“金”だって言ったじゃねえか」二人の男は笑い、旅人の荷物をあさった。
ザザッザッ、旅人は茂みに投げられた、投げられた先には、人だった物が積み上げられている。
「お、また獲物が来たぜ」男が指を指した。
その指の先には二人の旅人の姿がある。
一人は白い肌の女で、黄土色の髪を背中までのばし眼鏡をかけている。もう一人はフード付きのマントをつけていて、男か女かもよく分からない。
何も知らない二人の旅人は、狭い道を歩いて男たちのいる所までやってきた。
「待ちな、ここから先に行きたきゃ金を――」
「命は助けてやる、金をだせ」眼鏡をかけた女が、男の喉に剣を当てた。
カチャ、もう一人の男が握りの付いた鉄の筒を、眼鏡の女に向けた。
「いいか、これは――」
ズドーン、森の中でその音がこだました。

「貨幣がこれだけあれば足りますね、シオン」眼鏡の女は右手に膨らんだ鞄をさげている。
「そうですね、錬金術じゃお金は作れないから助かりますね」そう言ってシオンと呼ばれた女がフードをぬぐと、茶色の長い髪がなびいた。
「ベルーナ、この先にある国は技術が発展している、先ほどの盗賊もその国から“銃器”を持ち出したのでしょう、何か問題を起こしたら我等でも蜂の巣です……何が言いたいか分かりますね?」

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