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Gear〜鍵を成す者〜
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Gear〜鍵を成す者〜 29

「…もし断われば?」
冗談半分でソルは言った。シオンは答える。
「ベルーナの“剣技”、知らないわけじゃないでしょ?」
ソルの頭の過去の記憶がよみがえった。プレシアの城で侵入者としてむかえた、シオンとベルーナ。そして一撃でのされた二人の仲間の事である。
「…、はははは」
ソルを笑顔で見つめるシオン。ソルにとってその笑顔は悪魔に見えた。
「…分かった、やる。飲み代の借りもあるしな、でも一つだけいいか?」
「はい」
「リオを探す目的は?」
「…、仲間にします、これから行われる戦争の」
「戦争だと?」
「では、鍵の説明をしなくてはいけませんね」
シオンが窓の外を見ながら話を始めた。
「海の端まで行くと途中で切れているでしょう?滝みたいになって。元々はあの先があったんですよ、偉大な錬金術師が隔離するまでは…、私たちは世界を元に戻そうと思っています」
「分かった、その偉大な錬金術師を倒せば世界は元に戻る、その為にリオが戦力に必要な訳だな?」
「…少し違います、錬金術師を倒しても世界は戻りません、世界を元の姿に戻すには鍵を開ける必要があるのです」
「鍵?ドアか宝箱でも開けるのか?」
「開け方はドアより簡単です、ただ大きな穴に鍵を落とすだけです、しかし…」
「しかし?」
「“海の向こう”とつながる事を嫌がる者たちがいます。彼らが邪魔してくる事は間違いないでしょう、そこで戦争がおきます…」
「…それで俺たちは鍵の護衛をするわけだな?」
「そうなんですが、その前に問題が…、実はその鍵、リオが持っているんです」
ソルは大きな目をし、数回頷いた。
「面白い、海の向こうがあるなんて話は信じられないが─」
「死ぬか?」
疑いの目をして話すソルに、ベルーナは剣を少しだけぬき、すかさず口をはさんだ。
「…えと、リオを探すのは協力する…、何か情報は?」
「あります」
「どんな?」

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