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Gear〜鍵を成す者〜
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Gear〜鍵を成す者〜 16

「くっ、化け物か……」カッツの反応が少しずつ遅れ始め、所々傷ついていた。
スッ、無表情で二本の剣を同時に振りおろしたベルーナ。するとカッツの口元が笑った。
「死ね」
カッツの剣に錬製陣が現れ、その刃の部分が輝くと、それは無数の小さな槍へと形を変えた。そして無防備なベルーナに飛んでいく。
ザクッ、音を立て次々とベルーナに刺さる槍。しかし、カッツは怪訝そうな顔をする。
  ──一本多い……。
「くっ、化け物か……」カッツの反応が少しずつ遅れ始め、所々傷つくようになってきた。
スッ、無表情で二本の剣を同時に振りおろしたベルーナ。するとカッツの口元が笑った。
「死ね」
カッツの剣に錬製陣が現れ、その刃の部分が輝くと、それは無数の小さな槍へと形を変えた。そして無防備なベルーナに飛んでいく。
ザクッ、音を立て次々とベルーナに刺さる槍。しかし、カッツは怪訝そうな顔をする。
  ──多い…一本多い……。
バタッ、ベルーナが床に倒れた。そして、そのむこう側には両手をはたく女がいる。
「お前か……」
カッツの意識は次第にとおのいて、辺りは暗闇におおわれた。
パリン、ガラスのひび割れが激しくなり、水が部屋へと流れだす。
「お別れの挨拶です……“さようなら”」
シオンはベルーナを担いで水槽をあとにした。
腹に大槍の刺さった男だけをそこに残して。 


「“プリマ・マテリア”」少し高い少年の声がする。
「……わからん」落ち着いた、低い声がした。
「……だから全ての物質は、一つの“物”からできてるんだよ、一つは全て、全ては一つって訳」
少し高い声の主は困った顔で狼を見る
「……う〜む」
「赤兎、今日はこの辺にしておかない?もう今日は疲れたよ」
「……う〜む」
「……おやすみ、赤兎」
「……ようするにだ、リオの錬金術は……寝た、のだな……」赤兎は森から星空の天蓋を見上げた。

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