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暗き刻
その他リレー小説 - ファンタジー

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暗き刻 1

暗い、暗い、闇が視界を覆う。何処を見ても闇がある何処まで見ても闇がいる。それが自分の本質だから闇こそが自身であり、自身こそが闇でもある。 だけど、自分は闇を拒絶する。その闇が自分自身でないような気がするから…。





「起きんかァ!」
聞き苦しいダミ声が耳元でけたたましく鳴る。

伏せていた頭を持ち上げると、軽く目眩がした。
ヤバ…すげー気持ち悪ぃ…。
「居眠りとは余裕じゃないか、黒田」
声がでけぇ…。もう少し静かに喋れねぇのか。頭に響くんだよ。
「少しは甘〜い夢の世界から離れて、黒板の問題でも解いてみろ。現実は厳しいぞ〜」
狭い教室に、嘲笑が波のように広がっていく。

ん、と……そうか。
コッチは俺を拒絶するんだった。

…吐き気もしてきた。

「なぁ黒田よ。お前の夢は俺の授業よりよっぽどおもしろいんだろうなぁ」

今度はしっかりと笑いがおきた。

うるさい…。

そういや何ていったっけ、こいつの名前…。
山田だか島田だか増田だか……思い出せん。
まあ、大した奴じゃないんだろうな。
「大体お前、勉強してんのか?高三でもダラダラと…。ろくな大人にならんぞ」
しつこいな…。第一お前が決めるろくな大人ってどんなんだよ。
「そうやって一生夢の中で過ごすつもりか。ん?」

「何であんたなんかにココが夢じゃないってわかんだよ…」



…マズ。聞こえたか…?ボソッと言っただけだからな。大丈夫だよな…。
いや、むしろ流してくれるだろ。宴もたけなわ、この辺でお開き、みたいな感じで…
チャイムの鳴る音と共に先生はため息をつく。

「教科書の132ページ宿題な、はい昼休み」
そう言い残して先生は出ていった。

「ああうぜぇなぁ、ホントかったりぃ」
「おい黒田!!」
またお前か…

「校舎裏に来い!!」
とりあえずその言葉に従う俺。そして先輩方に囲まれる俺。

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