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クエストフォースエピソード2〜神から下された啓示〜
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クエストフォースエピソード2〜神から下された啓示〜 5

「何、これ?」
鍵をみつめながらヴィンはエミュに言った
「世界を手にすることが鍵ですよ」
そう言って、エミュは鍵を宙に浮かしながら遊んでいる
「はぁい?ホントですか?」
つい、声が裏返ってしまったヴィン
「冗談と言いたいところですが、事実なんですよ〜!この鍵は、この神殿のあれ部屋の扉を開くための鍵なんですよ」       「その、部屋に一体何があるんだ?」
「エヘッ、実はそこまではわかりません」
エミュは悪戯っぽく笑いながら舌を出した。そのエミュの姿を見てヴィンも何故か笑えてきた。
その笑いを邪魔するかのように神殿が大きく揺れた
「な、何? 地震?」
「そんな、この辺りは滅多に地震なんて起こらないのに……」
エミュがそう言った時、再び強い横揺れが神殿を襲う。
「うわっ、これ、ただの地震じゃないよ! なんだか、神殿全体が外から揺すられてるような……」
ヴィンがそう言った時、外から罵声のようなものが聞こえてきた。

「また、賊かな?」   走りながら、ヴィンはエミュに質問した      「わかりません。ただ、今まで来たただの賊とは違うような気がします」   走っている途中に神官たちの悲鳴が聞こえてきた
「ヴィンさん、急ぎましょう。もしかしたら、あなたの力を借りるかもしれません…その時は」
「任せてくれよ!!何があるかは知らないけど、きっと力になってみせるさ」
ヴィンの力強い言葉を聞いてエミュの心の中にある不安は消えた
(きっと、何とかなるよね…きっと)
神殿の玄関が壊される音がした。
「まさか、もう侵入されたの!?」
エミュの声が裏返った
「とにかく、急ごう!」
言うなり、ヴィンはエミュの手を取って更に速度を上げた。

「これは――」
ようやく玄関付近に辿り着いた二人が目にしたのは、身の丈が5mはあろうかという巨人だった。腕を一閃する度、メイスや棍棒で立ち向かっていた神官戦士たちが木っ端のように吹き飛ばされる。
エミュに気づいた神官の一人が、必死の形相で叫ぶ。
「逃げなさい、エミュ! ここは我々が――ぐぅぁぁぁぁっ!」
その神官も、腹部に激しい一撃を喰らって壁に叩きつけられ、ぐったりと動かなくなる。
それを見たエミュはすぐさま怪我をした神官たちの所に向かって行こうとしたが、だがヴィンはそれを止めた…          「バカ!先にコイツをどうにかするのが先だ!!」
エミュはヴィンからさっきとは違う雰囲気に怖じけづけそうになりそうになったが、エミュは負けずに反論した          「でも、多くの神官の方が怪我をされています。中には危険な状態な方もいます。放っておくわけには…生きません!!」
ヴィンはエミュから、さっきとは違う“何か”が感じとれていた
「わかった…オレがコイツを足止めしとく…その間に神官達を安全な場所に運んでくれ!」

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