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クエストフォースエピソード2〜神から下された啓示〜
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クエストフォースエピソード2〜神から下された啓示〜 15

「何言ってんだよ! ここでオレ達が逃げたら、神官の人たちはどうするんだよ!」
「落ち着け。あのモンスター共の狙いは恐らく我々――正確にはエミュと、彼女の知っている『神殿の宝』だ」
そこまで聞けば、ヴィンも莫迦ではない。ルセリウスの意図を悟って壊れた壁から飛び出す。
「オレ達が逃げれば追って来る。その間に何とかエミュを逃がす、って事か」
「上出来だ。エミュの寝室は分かるな?」
「え? うん、分かるけど……」
にやり、と笑うとルセリウスは逃げる足を止めた。予想通りに追ってきたモンスターに向き直ると、ヴィンに言い放つ。
「モンスターどもは私が引きつける。お前はエミュを連れて逃げろ」
ルセリウスとヴィンの目が合う。二人は互いに自分のするべきことを悟りあった「わかった!ここは、任せるよ!!」
ヴィンはそう言うとエミュのいるべき場所へと走る「…ふっ、物分かりの良い奴で助かる。ただ、真っ直ぐすぎるのが玉にキズだがな。」
ルセリウスは少し笑みを浮かんだ後、モンスターの所へ向かって行った。


神殿の「宝」の前で二人は対峙していた。一人はエミュでもう一人はあの老人だ「貴方は、一体…」
「ふぉふぉふぉ、遂に見つけたぞ、フォルボスの血を継ぐ子よ…貴様の力をもらうぞ!!」
「フォルボス?」
「クックックッ、その内わかるさ!!」
そう言いエミュに手をかざそうとした時だった
「エミュ!!」
「ヴィンさん!!」
ヴィンが老人とエミュの間に割り込み剣を構えた
「チッ…邪魔が入ったか、まぁ良い。この程度の事まだ予想の範囲内じゃ…」
ヒェヒェ…という笑い声と共に老人が霧のようにかき消えた
「エミュ今のは…」
まだ剣を構えたままヴィンが聞く
「わかりません…でも『何か』を知っているような…そんな感じでした」
「一体何者なんだろう…」

そう言い腕を組んだ時だった
昼間のような振動が神殿を揺らした
「まさか!!」
急ぎ表に飛び出すとルセリウスが巨大な一つ目モンスター『サイクロプス』と対峙していた
「大丈夫か!!ルセリウス」
ルセリウスに駆け寄る
「ヴィン」
肩で息をしながら大剣を構えたルセリウスが言う
「あいつ、なかなか強いぞ」
見るとサイクロプスに数十ヶ所以上切り傷がある。だがルセリウスも無傷ではない
「固いし速い。昼間の奴とは比べものにならないぞ」
そう言いサイクロプスの一撃を弾く
「せめて眼を潰せればな…」
そう言った時だった
「グギャァァ…」
サイクロプスが叫び声をあげた
見ると一つ目にボウガンの矢が突き刺さっていた
「なかなか面白い事になってんじゃねぇか、なぁヴィン!!」
「その声は…」
真っ赤なジャンパーに大槍を片手に持った大男イージーがボウガンと一体化した左篭手をサイクロプスに向けていた

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