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ポケモンSV 外伝
その他リレー小説 - 二次創作

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ポケモンSV 外伝 1

「あー…。めんどくさい…。」

今日も変わらず自室の天井を見上げる。

私はケンタ。ジョウト地方のまぁまぁの街で家族と暮らしている。親父、お袋、妹、あと一匹ポケモンがいる。

そして今…

「ケンタ!起きてるならご飯食べにおりなさい!」

「分かってるよ…。」

そう。私は絶賛引きこもり中だ。親父の仕事で色んな地方を周らされその度にスクールが変わりジョウトに来てからは理不尽ないじめのオンパレード。

無視を通してきたが、それが気に入らない連中に嵌められて女子更衣室に無理矢理ブチ込まれた。

女たちはみんな気持ち悪いと罵声を浴びせ、男たちはにやにやとスケベ野郎と吐き捨てる。
教員は誰も俺の言う事は聞いてくれなかった。信じもしなかった。

それから引きこもり生活が始まった。今まで心体に張っていた糸が切れた感覚だった。糸の切れた操り人形のように自堕落した日々が続いた。

親は以前からいじめに薄々気付いていた。スクールにも相談していたがいじめを認めたくないのか聞いても何もしなかったみたいだな。

だが学校に行かない生活は最高だ。はっきり言って生活習慣はめちゃくちゃだが勉強してれば何も言われない。
何よりスクールの連中に会わなくていいんだ。

朝飯を済まして午前中はちょっと座学をして、昼飯を済ませたら散歩をする。夜はお楽しみだ。

ーコツコツ

「お、今日も来たか。」

夜には客が来る。唯一気を使うことなく一緒にいれる友達だ。

「ムンムゥーン」

ムウマ、よなきポケモン。
引きこもり生活中に窓から中を眺める姿を見て一度部屋に入れた。今は毎日部屋に来る友達みたいなもんだ。

「ほら、食うか?」
「ムゥン!」

散歩中に拾ったきのみをあげるのも毎日のこと。その後は部屋をうろうろしたり、一方的ではあるが話しかけたりして、そして朝が近づくと帰っていく。まぁ帰る頃には寝てしまうが。


しかし、そんな引きこもり生活は突然終わりを迎えることになった。本当に突然だった。

冬が終わり暖かくなってきた頃、親父に呼ばれ久しぶりに外に出た。
柄にもなくアサギシティで海を見ながら二人で話した。思えばいつも仕事で忙しい親父ときちんと話すのはいつぶりだろうか?

「ケンタ、最近どうだ?!」

「学校行かなくていいから前よりマシかな。」

「そうか。今日は話があってだな…。」

親父はパンフレットを鞄から取り出し見せてきた。
見たことがない地方の学校のパンフレットだった。

「パルデア…?グレープアカデミー…?」

「おばさんがパルデア地方でリーグ関係の仕事してるのは知ってるか?」

おばさんは親父の妹。IT関係の仕事のベテランでスカウトを受けたとは聞いていたがリーグ関係の仕事をしているのは知らなかった。

「知らなかったなぁ。デカい学校、まさかこれに行けってこと?」

「学校も大事だが何よりグレープアカデミーの魅力は自由な校風だ。生徒の年齢も老若男女、色んな人がいる。あの最悪な学校に比べたら月とすっぽんだ。」

結局学校に行けと言ってるのと変わらないじゃないか。
だがずっと家にいるのも罪悪感があるのは事実更に親父は続ける。

「グレープアカデミーでお前に一番して欲しいのは宝探しなんだ!」

「宝探し…?」

普段真面目な親父から出てきた言葉に少し驚いた。

「みんなアカデミーに通いながら色んなことに挑戦して自分だけの宝物を見つけるんだ。パルデア地方を回って色んな体験をして将来を考えたり、悩んだりして自分の大切なものを見つけるんだ。」

「自分だけの…。」

聞いてるだけでワクワクしてくる。こんな気持ちは久しぶりだった。テレビで有名トレーナーのバトルを見ていた時と同じような。


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