ドラゴンクエスト〜外伝〜 2
ネオはなにやらブツブツ言い出した。
「おい、余裕ないんだろ?なにブツブツ言ってんだ?…まさか場所間違えた事めちゃくちゃ根に持ってたり…」
バーンはネオに声をかけるが返事はない。
「何だよぉ無視かよぉ…」
バーンは淋しそうに地面を見ながら家に向かいだした。
バッ!!
ネオに腕を掴まれたバーンは青い光に包まれる、そして気付くと門の近くの小屋の裏にいた。
「どうだい?僕と組んだ得点だよ」
ネオは笑いながらバーンに杖を渡す。
「凄かった…感動したぜ、さっきのが魔法ってやつだよな?」
「まぁね、その杖の使い方は外で教えるから持っていて、あの門を越えたら僕達の旅の始まりだ」
ネオの瞳は力強く輝いていた。
暗闇の森の中焚き火をしている者がいる。一人は黒の短髪の男で、日本刀を肩にかけて木によりかかり蹲った格好で寝ている。
もう一人は赤い髪をし、長い髪を一つに束ねた男で、右手に戟を握り、肩に鷹をのせて餌をやっている。
「そうか、あと少しでその村に着くのだな?うむ、ご苦労だったグリフォンよ」
鷹が大空高く舞ってゆく。赤い髪の男はその姿を羨ましそうに下から見送っていた。
「ジェイク、シン、見つかりましたよ、満月草」
そこへまだ幼さの残る少年がやってきた。片手には満月草という麻痺を治療する特効薬を持っている。
「おせえぞ、ロン」
少年を見ると黒髪の男は不機嫌そうにそう言い放った。
「まぁまぁ落ち着いてジェイク、ありがとうなロン」
世間は未だ騒がしい。
『上の世界』から来た勇者が魔王を倒したのみならず、
その魔王によって閉ざされていた、今までの世界の『外側』が突如として開かれたためだ。
ジェイク、シン、ロン達の分隊を含めた開拓団が、今こうして新たな大陸を探っている。
「今俺たちのいる、この外側の大陸はアレフガルドと実際には、共にあった。
しかし魔王ゾーマの力で陸地ごと分断されていたため、従来そうは見えなかったんだったな」
黒髪の戦士、ジェイクはこの大陸についての事前情報をロンに確認している。
「はい。しかし今やゾーマは倒されてその分断していた力もまた失われたため、
こうして自由に行き来が出来ます。この大陸もまた、創造主ルビスの力によって生まれたもの。
ならば、我らと同じ人間もまた、この大陸で生活を営んでいるものと思われます」