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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜
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ドラゴンクエスト外伝〜スライムナイト・ピエールの旅〜 2

ピエールはメリーナを護衛する形で山道を歩いた。一時間程歩き山を抜けると城が現れた。これがサンライト城である。
「ひっ、姫様!」
見張りの兵士が仰天している。敵になったはずのモンスターと姫が一緒にいるのだから。
「モンスターめ、姫様から離れろ!」
兵士は剣を構える。
「待って!この人は違うの、私を助けてくれたいいモンスターなの」
「…そういえば他のモンスターと違って殺気がない…」
「大丈夫だから通して」
「分かりました」
兵士が扉を開けた。
「さあ入って」
「えっ!?いや、でも」

戸惑うピエール。
「外にいたらモンスターに襲われるわよ」
メリーナに促されピエールは城の中へ足を踏み入れた。
「(やっぱ城だから豪華なつくりだなあ)」
ピエールは周りを見渡しながら歩いた。
「ここが王の間よ」
メリーナの案内で王の間に入室した。
「メリーナめ、心配かけおって」
サンライト城の王は娘の姿を見て安堵した。
「ごめんなさぁーい」
「でおぬしがメリーナを助けてくれたんじゃな?」
「ええ、まあ」
「礼を言うぞ、モンスター達が凶暴になってしまったからどうなるかと心配しておったんじゃ」

続けて王は
「しかし妙じゃな、おぬしは魔王の魔力を感じないのか?」
「はい」
「そうか、ひょっとしたらおぬしは神が与えた最後の希望かもしれんな」
「えっ!?」
「平和になって久しいから各国とも軍隊が弱体化しておる。我が国はまだ大丈夫じゃが、魔王軍に襲撃を受けている国もあるようじゃ。情けない話じゃが、わしらには魔王に対抗出来る力がないんじゃ。どうじゃろう、わしらに変わって魔王退治をしてくれぬか?」
「そんなの無理に決まってるじゃない!相手は魔王よ」
メリーナが王に抗議する。
「俺としては同士のモンスターを殺戮のために使う魔王を許せない、言われるまでもないですよ。ただモンスターを殺めるのはイヤなんですがね」
「それならばキュールの泉に行けばよかろう。キュールの泉は死んだ者を生き返らせることが出来ると聞く。じゃから心置きなく倒せ、と言うのも無礼じゃな」
「そうですか、ならば思い切り戦えますね」
「では各国におぬしのことを伝えておこう。間違って襲われないようにな。おぬし名前は?」
「ピエールです」
「ではピエールよ、頼むぞ」

「はい!」
ピエールは威勢よく返事をし、国王に敬礼をした。早速出発せんとし、窓の外を窺うと日が暮れかかっていた。
「ピエール。夜は魔王の力が増すと聞くわ。今夜はうちで休んで、明日の朝に出発したら?」
メリーナが大きな瞳を輝かせる。ピエールが返答に困っていると、国王が咳払いをひとつして言った。
「ピエールよ。今宵はそなたの話を聞かせてくれまいか。」
「御意。」
晩餐では、国王始め多くの臣下らがピエールの話に耳を傾けた。
そして、その夜。彼の部屋のドアを叩く人影。
コン、コン

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