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ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

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ドラゴンクエスト[〜それから〜 54

少女の声がそれに答えた。その声は何かに脅えているかのように震え、かぼそかった。
少年は両手に剣を握り、構えた。
「大丈夫だ、お前は俺が守ってやる」
「ありがとう……ヴァン」
ズドドド……
二人は音のする方の扉をじっと見つめた。何度も起きる大きな爆発音と共に、天井から砂煙が舞い落ちる。
ついに扉が開かれ、身を寄せ合っている二人を外光が照らす。ヴァンは眩しそうに目を細めながら、侵入者を見やった。
「……エイク」
ティランジアが小さく呟いた。

「魔物の気配がしないでがす。本当にココが隠れ家なんでがすか?」
ヤンガスが得意の鼻をきかせる。ククールもそれに同意した。
「キレイすぎるぜ。生き物の気配すらねぇしよ……」
その異様な雰囲気に、4人とも口が重くなっていった。みな互いに背中を合わせ、天上天下に気を巡らせる。
ほんの一時、空間がぐらりと乱れた。
「来るわよ!!」
素早くゼシカが躍り出た。見えざる敵に備えて仲間全員に素早さを上げる魔法を唱える。
次の瞬間、エイクの眼前にヴァンが構えていた。
「うおぉお!」
「くっ!」
――キィン!
エイクと刃を一度交えたのみで、ヴァンは身を翻し間合いを取る。
皆の視線がヴァンに釘づけになった時、ゼシカの目が一瞬見開いた。
「みんな、逃げて!!」
フゥ……
エイクたちの真上に小さな太陽ができていた。
ドドドドド……
小さな太陽が床に落ちた瞬間、そこから炎の柱が天井にのびていく。
床から白い煙がもくもくと立ち上り、四人の構えが崩れた。
「みんな大丈夫か!!」
エイクが叫んだ。
「大丈夫でがす!!」「大丈夫だ!!」「大丈夫よ!!」
煙の中から三人の返事が返ってきた。エイクは安心した顔をした。
「よかったな、お前除いてみんな無事で」

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