PiPi's World 投稿小説

ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

の最初へ
 -1
 1
の最後へ

ドラゴンクエスト[〜それから〜 1

陽光が眩しい…なぁ
トロデーン城のベランダから太陽を仰ぐ、少年、エイク。太陽の下には、笑顔いっぱいの人間がいる…まるで、何もなかったかのように…。
エイクは夢をみるかのように…そっと2週間前を思い出す。
聖地ゴルドが崩壊して、暗黒神ラプソーンが現れた。エイクは仲間とラプソーンを倒し終え、今に至っている。仲間達とはあれ以来会って居ない…会う意味もないが…
でも少しだけ、今を捨てたい気がする…。
「エイク、どうしたの?」
その声の主は見なくても分かる…。
長年寄り添い、守り続けたミーティアだ。
「ピアノのお稽古、さぼっちゃった…。」
ミーティアはうつ向きながらエイクに寄り添ってきた。
「エイクが、最近元気無いから、心配してたの…ピアノどころじゃないってぇ…。」
「ピアノなんかやらなくていいんじゃない?」
エイクの冷たい言葉にミーティアは少し顔を歪めて…
「…やっぱり…エイク、元気ないでしょ?」「別に。」
エイクはミーティアを見もせず、一点を見つめ続ける。それはどこというわけではないが、ただ、ミーティアと目をあわせたくなかった。
ミーティアを見たら…全てを忘れてしまいそうだったから…
ミーティアは…
エイクの一番大切な人…そして
好きな人。
大好きな人。
故に、強気なことを言って気を引きたい…
そんな気持ちが溢れてくる。
ミーティアが、側に居るだけで…。
ミーティアの事しか、考えられなくなる。

だから…今は…
「ミーティア様、少し一人にさせてください。」
エイクは普段、ミーティアには友の様に話すが、今は違う。
姫と兵士として。

「似合わないわ…エイクが言うその敬語…。なんか…遠くに感じて、ヤだ…。」
「一人にしてください。」
エイクは念押しするように言った。
ミーティアは何か言おうと口を動かそうとしたが、エイクの真剣な顔に戸惑いを覚え、去っていった。

ごめんな、ミーティア…




ふと、2週間前の出来事を思い出した。














暗黒神ラプソーンとの死闘…。
仲間の苦痛に歪む表情…
混じりあう 光と闇

忘れたい…

虚空が揺らぐ
横には誰も居ない。

闇がエイクを襲う。

周りには闇…闇…闇…

死ね!!
頭の中に映像が流れる。

鮮血が飛び散った。

「俺のじゃない!!」
エイクが気付いた時、そこはいつもの…トロデーンであった。

醜い夢…

ふと、

ピアノの音が聞こえた。
耳をかたむける…。

悲しい音色…
思わず耳を塞いだ。

ミーティア姫は、俺が守るから…悲しいのは止めてくれ

でも…



この先、ミーティアを守れなくなる予感がした…。

SNSでこの小説を紹介

二次創作の他のリレー小説

こちらから小説を探す