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ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

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ドラゴンクエスト[〜それから〜 53

「エイク殿!!」
そこへ場の空気のよめない男がやってきた。
「あ、ハクさん…」
「どうかしたのか?そんな顔して……まあいい、この剣を受けとれ」
ハクは刃に宝石の入った剣をつきだした。
「これは?」
怪訝そうな顔をするエイク。
その顔をみた後、ハクは勝ち誇った顔をして言った。
「『竜玉の剣』だ。グルーノがいうには、これでないと腕輪を破壊できないとか、原理も聞いたが……人間のエイクには理解できんだろうて」
剣はエイクの腕の上に落とされた。
「ありが…とっ」
見た目以上に重い剣は、エイクの姿勢を少し崩させた。
もうエイクの中には迷いなんて物は無かった。
エイクは自分の事をよく知らない。大事な人の事も。だから今度こそ全てを知りたい。そう思った。
勿論、そんな好奇心のために大切な仲間を失う気は無いが。
「ハクさん、ありがとうございます。僕は故郷を守ります。」エイクはそう言い強く頷いた。
「ふむ。よく言ったな。ちと臭いが…」そう言いグルーノがフッと笑い、皆が笑った。
「さて、この竜の杖であやつらの隠れ家には行けるな。」
エイクは頷く。
「大切なものを全て取り戻し、必ずココに帰って来るんだぞ」
それに皆が強く頷いた。
そして、一行は竜人族の里を後にした。
「あのハクってオジサン!ヤな感じだと思ったけど、結構いい人ね」
ゼシカがそう言いながらころころ笑う。エイクのポケットから顔を出したトーポも、同意するように鳴いた。
「アニキ!とっとと竜王の野郎を片付けちまいやしょ」
「馬姫さんも捜さなくちゃなんねーからな」
エイクは両の拳をぎゅっと握った。
「行こう!」
仲間たちがそろって頷いた。


「竜王が言うには、もうすぐ奴らがやってくる、分かってるなティランジア……」
暗闇の中、少年の声が響く。
「分かってる、“あの人”を倒さないと私たちは……消えちゃう」

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