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ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

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ドラゴンクエスト[〜それから〜 32

「まさか竜人族とまた関わる事になるとはな…」
ザフィスは杖を握り締め、深い溜め息をついた。
「昔とある男と共に、その男が愛したある女性を探すため旅へでた事がある、その女性が竜人族だった…その女性が消えた時もこの杖が残されていた記憶がある」
「それでその女性は見つかったのですか?」
その場にいた誰よりもエイクは真剣な眼差しをして聞いていた。
「残念だが二人は二度と会う事はなかった…」
エイクの瞳がさっと曇った。それに気付いたククールが続けて尋ねる。
「消えた女性は竜人族じゃない筈なんだ。なぜ彼女が狙われたんだ?」
「……竜人族ではないのか?」
ザフィスが目を見開いた。
「僕らは、女性の家族に竜人族が居たとは聞いていません。」
「ミーティアに特殊な能力があり、それを利用する為に拐ったのかもしれない、『竜人族の里』におるやもしれんな…」
顎を指で擦りながらザフィスは何やら考え込む。
「その『竜人族の里』はどこにあるんです!!」
エイクは興奮し、ククールに度々肩を押さえられていた。
「すまぬ、分からぬのだ、女性を探していた男はある書物を見つけた後、私をおいて一人で行ってしまった…分かるのはその書物の名が『竜の試練』という事だけだ…」
「えっ…」
三人が顔を見合わせた。ゼシカが慌てて道具袋から『竜の試練』を取り出す。
「ザフィスさん!それって、この本のこと?」
「コレ、中身は白紙だったじゃねぇか。」
ゼシカが机の上で本をめくり始める。
やはり、中は真っ白だった。
「……やはりダメか。」
ザフィスが大きくため息をついた。エイクが諦めきれない様子で彼に尋ねた。
「この中に、サザンビーグの旧貨幣が挟まれていたんです。何かヒントになりませんか?」
「旧貨幣……?」
エイクはポケットからコインを取り出し、彼に差し出した。
「これは…」
ザフィスはそれを近づけたり遠ざけたりして確かめている。
「サザンビーグの王族にしか渡されないコインの筈だ。」
考え事をしていたククールが口を開いた。
「さっき『竜の試練』を見つけた男がいたって言ったよな。ソイツは王族だったのか?」
その言葉を聞いて、ザフィスの瞳が一瞬揺れたのを彼は見逃さなかった。

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