「ご覧ください！空を埋め尽す…フォーリナーの大船団です！！現在、このフォーリナーの母船と思われるマザーシップへの交信が続けられている模様です！」

2013年、宇宙空間から電波を受信。地球外生命体の存在が明らかになった。
そして、2015年、人類は連合地球軍《EDF》を結成。
政府は地球外生命体を《フォーリナー》と呼称し、平和的な対話を望んでいた。

「…！？あちらをご覧ください！マザーシップから、何かが投下されています！！あれは…アリ！？ものすごく巨大なアリを投下しています！！」
マザーシップや周りに展開している巨大な円盤から、アリに似た巨大生物が投下された。
マザーシップは地上3000メートル付近に浮上しているが、ずば抜けて大きく見える。

「あれは…！？巨大生物が民間人を襲っています！！あ…あれを見てください！マザーシップからさらに飛行物体が出てきました！こっ…こちらに攻撃を…キャァァァーーー！！！」

この映像は各国に放送され、世界に激震が走った。
地球政府はフォーリナーを侵略者と認定し、ＥＤＦに攻撃を命令。このときより、人類の存亡をかけた戦いが始まるかにみえた……

…

『…こちら司令部。ストーム01、現在の状況を報告しろ』
「こちらストーム01。現在、指定ポイントへ移動中」
『指定ポイントへ着き次第、追って報告しろ』
「了解」
司令部より命令された位置へ移動中だった。
「…！司令部、こちらストーム01！巨大生物と円盤を発見した！！…でかい！くそっ！数が多すぎる！我々では対処出来ない！！至急、応援を…」
次の瞬間、目前に迫る巨大生物が円盤もろとも消えた……

「…司令部、目の前の巨大生物及び円盤が消滅しました…」


……

「あの〜秋本さん起きてください」
秋本の体を揺するが反応がない。
「…脈もあるし、呼吸もある。深い昏睡状態といったところか」
秋本の様子を観察しながら、桐生は辺りを見回している。
「しょうがないですね」
神野はそう言うと、壁のスイッチを押した。すると床から大きなベッドが出てきた。
「なっ！？神野、お前どうして分かったんだ？」
「あっ！えっ！？」
どうしてか以前に押した記憶があるのだ。
「…これは秋本さんの記憶？…うっ！？」

頭痛がしたかと思うと暗闇に包まれた…

…

神野は暗闇の中にいた。
（ここは？）
突然目の前に秋本が現れた。
『お前がこれを見ているという事は、俺の記憶の存在に気付いたんだな』
微かに透けている秋本が喋りだす。
『これはお前の記憶にセットした再生装置のようなものだ。これが終わり次第、この記憶は消えるがこれを視たという記憶は残る』

今までに秋本が体験してきた記憶が一気に流れ込む。喜び、悲しみ、恨み、恐怖…全ての感情が入り乱れ、その場にうずくまる。

『…終わったようだな。では最後に、俺の預けた《力》についてだ……』