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DO-RA 未来からの使者
その他リレー小説 - 二次創作

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DO-RA 未来からの使者 1

二十二世紀――
人類の持つ技術が飛躍的に進歩した頃、人類初の人工知能内蔵型ロボット『AIL』[アイル]が発明された。
これにより、本来人間の生活をサポートするだけの存在だったロボットは、より人間に近いものになり、いつしか人類とロボットが肩を並べ、共存する時代が始まった。

そして二十三世紀、一人の人物が過去に一体のロボットを送り込んだところから、この物語は始まる…。


DO−RA
    未来からの使者



二十世紀

広い空き地で一人の男子高校生が、土管に向かってエアガンを向けている。
正確には土管の上の小さい空き缶に、だ。
その周りには四、五人の高校生が息を潜めて男子高校生を見守っている。
男子高校生と空き缶との間は約三十メートル。とてもではないが空き缶にBB弾は簡単に当てられない。
男子高校生の指に力が入り、エアガンから弾BBが放たれる。
BB弾は見えない力に引っ張られるかのように、一直線に空き缶に向かう。
直後、パシッという軽い音がして、空き缶が土管から落ちる。

それと同時に、男子高校生の周りの四、五人から溜め息が漏れる。
「何であんなの当てれるんだよ…」
「あ〜あ…今月金欠なのに……」
「やっぱ射撃だけはすげえな乃日太は……」
愚痴を言いながら、乃日太と呼ばれた男子高校生にお金を渡していく。
「今度はどうする?四十メートルにする?」
「いや…もういいよ。」
お金を払った一人が力無く手を振る。
エアガンを撃った高校生の名前は、『野琵矢 乃日太』(のびや のびた)。
射撃とあやとりが特技だという事ぐらいしか取り柄のない、寝ることが大好きな、月見高校の一年生だ。
乃日太がいやらしい笑顔を浮かべて金勘定をしていると、突然後ろから声をかけられた。
「また賭け?」
半ば呆れるように言う声の主は、髪を後ろで二つに束ねた、ツインテールの少女だった。
「あ、雫ちゃん」
「…委員長として、それと、幼なじみとして忠告するけど、そんな事ばっかりやってたら、いつか破産するわよ」
「大丈夫だよ。よっぽどの条件じゃない限り、僕の射撃の腕なら外さないって、わかるでしょ?」
その言葉に、水元 雫(みなもとしずく)は、大きな溜め息をつくと、もういいわ、と言って、帰っていった。

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