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GENIUS
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GENIUS 2

「いや、またの機会にって言っちゃったから」
長くなるし。
たいした話じゃないし。
「そんなに俺の心を『発見』したいのなら、その眼鏡を外せばいいじゃないですか?」
「それは絶っ対…嫌!!」
これである。
神子さんの眼鏡は特別製らしく、あの眼鏡がないと生きていけないらしい。
なんでもあの眼鏡はリミッターらしく、あれを外したらとんでもないことになるらしい。
寝る時も、お風呂の時も眼鏡を付けているという眼鏡狂である。
「はぁ…とりあえず無色くん。今月の給料…はい♪」
「いや、はいって……500円…しかないんですけど」
「無色くんも知ってる通り、今月はほとんど大きな仕事は無かったわ。それに娘の教育費が……」
神子さんには義理の娘がいる。
なんでも孤児だった当時9歳だったその子を『発見』してしまったとかなんとか。
「神子さんの私用がなんで俺の給料に響くんですかっ!」
「………………ただいま…」
「おっと噂をすれば……おかえり、死神ちゃん♪」
ぶっとんだ名前である。もちろん神子さんが親になってから改名したのだが……これはさすがに可哀相だ。
つまり生神死神(イケガミシニガミ)。
友達なんて絶対できない名前だ。
まぁ名乗っている名前は池上死神なわけだけど、どうしたってダメだ。
「おかえり、死神ちゃん」
「無色くん…給料出た?」
「500円」
「…お母さん……」
「死神ちゃんも分かるでしょー?全然依頼も来ないんだからー」
「お母さんには病院で稼いだお金があるよね?」
「うっ…相変わらず鋭いわね死神ちゃん。私だって無色くんには貢ぎたいけど…」
「いや、おかしなこと言わなかったか、今」
「私もいろいろ使うの!はぁ…依頼でも来ないかなぁ……」
「お母さん、そんな簡単に依頼が来るわけ……」
ジリリリリ、ジリリリリ!
今時珍しい黒電話の着信音。
「ほら来た!私ってば天才!はい、もしもし。こちら生神天才事務所、所長の生神です!」
死神ちゃんと目を合わせ、驚く。
運がいいのか、悪いのか。
まぁ…紹介が長くなってしまったので、ここらで物語を進ませよう。
ちなみに、運がいいのか悪いのかと言うと……不幸の始まりはここだったのかもしれなかった。

依頼者との待ち合わせ場所は近くのファミレスだった。
こうした形で依頼者に会うのはいつも俺と死神ちゃんの2人だけ。
神子さんは面倒だと言い、いつもお留守番だ。
カランカラン…とファミレスのドアが開く音がした。
席も奥のほう、俺と死神ちゃんの容姿も伝えたから依頼者は自ずとやってくる。
「あの…生神事務所の方達でしょうか?」
「はい、生神探偵事務所の才気無色(サイキムショク)と……」
「…生神死神です……」
俺より年がちょい下くらいの彼女は死神ちゃんの名前に驚くも席についた。

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