俺の守り神・ぷらす 16
「お前はお菓子に抗えないけどな…」
「うるさいわよっ…!!」
と話していたら…
ダダダダダッ!!!!っとまた敵が増えた。
「しつこいわね…」
「他の神の方々は戻られて、残りは水名様だけです。どうか懸命な御判断を…」
「…嫌…あんまりしつこいと私もおこっちゃうよ?」
敵が皆後ずさる。水名の眼は一層鋭くなった。
「しかしっ…!!!!」
バシャアッ!!
水の音は隣りからだった。水名は液化したらしくもういない。いきなり周りを警戒する敵。
しかし…一番後ろの敵の背後に水名が現れたことを…俺は視認できた。
ぺた…
パキン…
バシャアッ…!!
まるで凍り鬼。
水名がぺた…と敵に触る。敵はパキン…と凍る。水名がバシャアッ…!!と移動する。それのループだった。
次々と氷像になっていく敵。パキン…パキン…と時を刻むかのようだった。
そして最後の1人になった。
「私は帰るつもりは無いわ。貴方は凍らせないから、副委員長に伝え…」
言葉の途中で女子更衣室の入口を睨む水名。
カツカツ…カツ
綺麗な女の人が立っていた。
「派手にやられたねぃ…」
「すいません、副委員長!!」
「…お…母様…」
水名の眼は鋭さを失った…。
「水名…久しぶり…」
「お母様こそ…なんで副委員長に…?」
「先代から指名されたのよねぇ…」
どうやら水名のお母さんが副委員長らしい。それになったのは最近だ。
「さて…水名…帰りましょう…♪」
ニッコリと水名に笑いかけた。
「ほら…優君だって迷惑よ…ねぇ…♪」
今度はこっちに笑いかけた。
「え…あの……」
「…ヤダ」
水名の口からは拒否の言葉が出た。
「…どうして…?」
「こっちはとっても楽しいの。いろんなことができるの。いろんなこと…してみたいの…」
本当の水名を見た気がした。
「そう…」
「お母様…お願い…10月が終わるまで…!!」
「でも水名…今年の地球の異常気象は誰のせいだと思ってるの?」
「…………………」
「今年の神…つまり貴女がしっかりしてないからでしょう…?」
水名は俯いたまま黙っている。
「ね?お母さん、今なら怒らないから…」
ビクッと水名の体が動いた。
「でも…これ以上は…怒っちゃうねぇ…」
またビクッと水名の体が動き、カタカタと震えだした。水名は自分の体を抱き締めている。
なんとなく…水名のそんな姿に…ムカついた。
「ミナっ!!」
「え…ま、優…?」
「…水神様は最強なんだろ?」
「…でも…」
「俺はそうゆうミナしか知らない…やりたいこと…したいんだろ?」
「…………うん…」
「なら、頑張れ」
水名の震えは止まった。
「あら…優君?優君だって…こんな季節がおかしい年は嫌でしょう…?」
「……………………」
「…優……」
「ほら、水名…優君だって…」
「俺は…俺は、こんな年があってもいいと思います」
「ふ…言うねぇ…二人して…」
水名のお母さんの雰囲気がガラリと変わった。