俺の守り神・ぷらす 15
バシャーン!!
俺は頭から下のプールに叩き付けられた。もう鼻やら口やら耳やら浸水しまくっている。
「けほっ…げほっ…!!」
「てやー♪」
どげしっ!!
水名の足が俺のみぞおちに。しかもウォータースライダーの加速付きで。
「んぼぼぼぼ!!!!」
「あははは♪溺れてる、溺れてる♪」
「げほっ…げほっ…はぁはぁ…」
ここで重大な事に気付く。
この場所では勝ち目が無い。水があり過ぎるのだ。
水名のことだから、このプールの水を全部飲め♪とか、水圧実験♪とか言い兼ねない。
「じゃあ次はあっちの大きいプールで♪」
ここの名物…50mプール。やたらと長い。しかも10レーンという惜しみ無き広さ。
ついに水分過多で死ぬか、俺!?
「ねー、優ー…」
きたっ!!
「この水、全部…」
「無理です…」
「えー!!まだ言ってないよー!?」
「なんとなく分かる。飲んで!!とかだろ?」
「ううん…すくって♪」
そうきたか…
「す、すくって何するつもりだよ…」
「水圧実験♪」
ここで来ましたか水名さん。
「…無理です」
「どうして?」
「…………水をすくうのに時間がかかる。きっと今日中には終わらない。そしたら…ミナと遊ぶ時間が少なくなるだろ?いいのか?」
キャラが違う、キャラが。どうだ!!恥ずかしさを通り越えまくった甘いセリフは!!
「いいよ♪」
玉砕…てか粉砕。
「あ…でも…アレやりたいから…また今度でいいわ♪」
「すげー気になるけど…」
「ふふふ…ニヤリ」
おー、怖…。
「どう?」
「行くなら今が良いかと…」
「そうねぇ…じゃあ目標を確保。最後には私が出るよぉ!!」
「了解!!」
水名確保作戦が始動した。
「……誰か来た」
「へ…?貸し切りだろ?」
「違う…敵…かな?囲まれてるわね」
「敵って…誰だよ…?」
「よく分からないけど…敵意は感じるわ」
ダダダダダッ!!!!
無数の足音が聞こえ、プールの中にいる俺と水名のまわりのプールサイドには10人ほど敵と思われる奴等がいる。
「あんた達…誰?」
「私達は神委員会の者です。副委員長のご命令で水名様をお迎えにきました」
「その割りには…仰々しいわね。完全武装だし」
「副委員長のご命令です」
「ふぅん…私は帰るつもりは無いわ。副委員長に伝えて」
「もし…戻られる意思が無ければ…手荒い事になりますが…?」
背筋が凍る…その原因は水名の氷柱のような瞳だった。
バッシャア!!!!
10数人が一斉に飛び込んで来る。
「優…ちょっと寒いけど我慢して♪」
次の瞬間…パキンと俺と水名を中心とする2m以内を除いてプールの水がすべて凍った。
プールに飛び込んだ奴等は皆動きを止められている。
「くっ…!!」
「100万年早いわよ…人間が神に抗うなんて」